久保史緒里が語る、映画初主演への想いとアイドルとしての現在地「個人活動を広げることが、乃木坂46への恩返し」

インタビュー

久保史緒里が語る、映画初主演への想いとアイドルとしての現在地「個人活動を広げることが、乃木坂46への恩返し」

「一年前の自分を見返すと、『いまならどうしてたかな』という考えが浮かんできます」

幽霊役を演じた久保だが、実は幽霊は苦手だそう。本作への出演がきっかけで克服できたか尋ねると、「やっぱりホラーとか幽霊が苦手っていうのは変わらない」と苦笑。その一方で、愛助への理解は深めることができたという。「この作品で陽平と愛助が選んだ道は、人によっては『もっとほかの道があったんじゃないか』と思う方もいるかもしれないけど、私はお互いにとって良い選択だったなと思いました」。

陽平の部屋からは出ることができない愛助
陽平の部屋からは出ることができない愛助[c]2022 山本中学・少年画報社/「左様なら今晩は」製作委員会

本作の撮影から公開を迎えた1年の間に、舞台「桜文」で主演を務めるなど演技経験をさらに積んだ久保。完成した今作を観て思うところもあったという。「あんなに大きなスクリーンで自分のお芝居を見るというのは初めてのことだったので、一度目は冷静には見られませんでした。自分の演技を見て、『もっとこうできたな』というようなところを探してしまって。繰り返し見ることで、だんだん冷静になってきましたが、やっぱり一年も前の自分を見返すと、『いまならどうしてたかな』という考えが浮かんだりします」。

アイドル活動では画面に映る“1秒の勝負”に懸けているという
アイドル活動では画面に映る“1秒の勝負”に懸けているという撮影/山田 健史

乃木坂46としてのアイドル活動でも、出演した音楽番組などを見返して、自身の出演シーンに課題を見つけることも多いという。「グループで歌番組に出演すると、自分が映る時間って3秒もなくて、本当に“1秒の勝負”なんです。リハーサルの映像を見て『どういう表現ができるかな』と考えて、本番は一発勝負。毎回、その“1秒の勝負”に懸けているので、見返す度に『髪が顔にかかっちゃったな』とか『もっとこういう表情できたな』とすごく考えています」。

陽平の身に起こる異変に気づく同僚の果南(小野莉奈)
陽平の身に起こる異変に気づく同僚の果南(小野莉奈)[c]2022 山本中学・少年画報社/「左様なら今晩は」製作委員会


自己研鑽を惜しまない日々を繰り返すことで、“反省”との向き合い方にも変化があったそうだ。「昔の自分は、たぶんその反省の時間が苦だったんです。自分の嫌な部分しか見えないから、それを見つけて『またダメだった』って。それこそドラマとかに出させていただいた時には、周りの方との差にすごく落ち込むところがあったんです。いまでも落ち込むことはありますが、あまり引きずらなくなりました。落ち込んでもその先に、なにかが生まれることってないと思うんです。だから反省はするけど、一週間も引きずるようなことはない。自分のなかで線を引くようになりました」。

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