すべては「もっくんを裸にする」から始まった!本木雅弘よりバトンを繋いだ「シコふんじゃった!」の魅力

コラム

すべては「もっくんを裸にする」から始まった!本木雅弘よりバトンを繋いだ「シコふんじゃった!」の魅力

フレッシュなキャストが勢ぞろい!普遍的な青春模様に胸アツ

そんな『シコふんじゃった。』の30年ぶりの続編にして、30年後の物語が描かれる今回のドラマシリーズ「シコふんじゃった!」。部活青春ドラマとしての王道を貫きながら、テーマやキャラクター設定などに現代的な要素を織り交ぜ、同じ大学の同じ相撲部だからこそ描ける時代の移り変わりを存分に味わうことができる。

単位目当てに相撲部に入る森山亮太を演じるのは葉山奨之
単位目当てに相撲部に入る森山亮太を演じるのは葉山奨之ディズニープラスオリジナルドラマシリーズ『シコふんじゃった!』ディズニープラスで独占配信中 [c]2022 Disney

教立大学4年生の森山亮太(葉山奨之)は、卒業に必要な単位を得るための条件として廃部寸前の相撲部の団体戦に出場することを申し付けられる。部室で亮太を待ち受けていたのは、たった一人の現役相撲部員で、部室に住んでいる大庭穂香(伊原六花)。彼女から相撲の基礎を叩き込まれた亮太は、団体戦に必要な人数を集めるために引きこもりのゲーマーの加藤俊(佐藤緋美)やスポーツ編集部に所属していた33歳の1年生の野口レン(高橋里央)、筋トレマニアの伊藤悠真(森篤嗣)を引き入れるのだが、試合は惨敗。一度は逃げ出してしまう亮太だったが、穂香の相撲への熱意に心打たれ、再び部に戻ることを決意する。

以上のあらすじを見れば分かる通り、前作の大筋が30年越しで再現されているのである。単位というエサにつられて興味のない相撲を始める主人公が、即席チームで試合に臨み、まんまと敗れる。のうのうとキャンパスライフを謳歌していた大学生が、部活という厳しい世界で初めて悔しさを味わい一気に火が着く。そこに強豪校の胸を借りる合宿があり、青春ドラマには欠かせないちょっとした恋模様もあり、現代的なのにどこか懐かしく、時代が変わっても青春ドラマの基本は変わらないのだと気付かせてくれる。


寄せ集めのチームで挑んだ最初の団体戦は一勝もあげられずに敗退…
寄せ集めのチームで挑んだ最初の団体戦は一勝もあげられずに敗退…ディズニープラスオリジナルドラマシリーズ『シコふんじゃった!』ディズニープラスで独占配信中 [c]2022 Disney

葉山演じる亮太は、もちろん前作でいうところの秋平のポジション。佐藤演じる俊は、相撲の知識だけ豊富なところが前作の青木を彷彿とさせ、他のメンバーよりも年上のレンはおっかなびっくり相撲の世界に飛び込むあたりが田中(田口浩正)っぽくもあり、バレエ経験者という相撲と対照的なバックグラウンドを持つ点も、敬虔なクリスチャンだった田中と共通している。そして筋肉バカの悠真は、“体力があれば相撲に勝てる”と思っていた前作の留学生スマイリー(ロバート・ホフマン)を思わせる。前作とよく似たキャラ設定だからこそ、30年の変化をより強く感じることができよう。

そしてなんといっても今回のドラマ版の要となるのは女子部員の穂香の存在だ。前作のクライマックスでは、女子部員が男子のふりをして試合に出るというシーンがあったが、今回は女子が女子として土俵に上がる。神事である相撲の“女人禁制”という古いしきたりを批判するように描かれた前作のシーンに対し、今作ではより直接的にその問題に触れる。第7話で明かされた穂香の過去。子どもの頃にわんぱく相撲で優勝したけれど両国国技館で行われる全国大会には出場できなかった。それでも相撲に打ち込み続ける穂香の姿に、このドラマが提示しようとする大きなテーマが見て取れる。

女子部員の穂香を演じる伊原六花がすごく綺麗な四股を踏む!
女子部員の穂香を演じる伊原六花がすごく綺麗な四股を踏む!ディズニープラスオリジナルドラマシリーズ『シコふんじゃった!』ディズニープラスで独占配信中 [c]2022 Disney

穂香役を演じている伊原六花といえば、“バブリーダンス”でブレイクした登美丘高校ダンス部の元キャプテン。“部活”をバックグラウンドに持つ彼女は、女優として最初の連ドラ出演となった「チア☆ダン」でもチアダンス部に入る1年生を演じるなど、部活青春ドラマとの親和性も抜群。なによりもダンス部で鍛え上げられた体幹が活かされたとても綺麗な四股。キャラクターのストイックさと部活に対するエネルギーに、この上ない説得力を与えている。

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