映画史を塗り替える没入体験は“IMAX推し”!『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』でパンドラの海に飛び込む
次々と興行記録を塗り替えているヒットメーカー、ジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が世界同時公開され、世界135の国と地域でナンバーワンとなるロケットスタートとなっている。迫真の立体影像で“映像革命”と呼ばれた『アバター』(09)から13年、今作は3Dに加え通常スクリーンに比べ縦方向に広いアスペクト比1.90:1のIMAXフォーマットに正式対応。キャメロン渾身の映像をあますことなく味わうには“IMAX一択”と言っても過言ない作品なのだ。本稿では、そんな本作をIMAXで観るべき“推し”ポイントを解説していきたい。
海の中にいるような臨場感…手を伸ばせばそこにパンドラの世界が広がる!
映画界きってのヒットメーカーとして知られるキャメロンは、同時にテクノロジーの探究者でもある。自らデジタル視覚効果会社デジタル・ドメインを設立したり、デジタルで完結する映画作りデジタルシネマの推進、3D撮影機器フュージョン・カメラ・システムの開発など、フォーマットを含む映像テクノロジーの進化を押し進めてきた。そんなキャメロンを支えているのが「思い描いたものをそのまま具象化したい」という思い。「アバター」シリーズも、長年温めてきたコンセプトに、テクノロジーが追いついたことから着手したプロジェクトなのだ。
今作の舞台は前作から10数年後。惑星パンドラに受け入れられ、ナヴィとして新たな暮らしをはじめたジェイク(サム・ワーシントン)は、妻ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)や4人の子どもたちと共に平和な日々を送っていた。いっぽう地球人部隊はジェイクらに倒されアバターの体を得たクオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)が指揮を執り、ジェイク一家を執拗に追いかける。さらにクオリッチの息子も登場と、ビジュアルだけでなくドラマ面も、年月を経てパワーアップしている。
キャメロンは自然との関わりを「アバター」シリーズのテーマの一つにあげている。制作にあたってはパンドラの環境や生態系を細部まで設定。前作では、広大な熱帯雨林とそこで暮らす生き物たちを緻密に描写し絶賛を浴びたが、海辺を舞台にした今作で描かれるのは、エメラルドグリーンの海とそこで暮らす多彩な海洋生物たち。不思議な海生植物、群れをなして行き交う大小さまざまな魚たち…生命であふれる豊かな海の描写は、IMAXならではの包み込まれるような巨大スクリーンで味わうと、海の中にいるような臨場感が味わえる。
ナヴィたちが絆を結ぶ首長竜のようなイルーや、魂で繫がった知性を持つクジラ状のトゥルカンたち生き物たちは、息吹すら伝わってきそうなほどのリアリティ。強い日が差す海面から薄暗い深淵まで、明暗差をしっかり映し出すIMAXのクリアな映像は、まるで手を伸ばせばそこにパンドラの世界が広がっているほどの体感に満ちている。