傑作ドラマ連発のApple TV+から、「ファウンデーション」「パチンコ」など観るべきタイトル総まとめ
通常より映画やドラマを楽しむ時間が作れる長い休みは、まだ観ていなかった話題作の視聴を開始するのに適している。新年早々、1月1日から9日(月・祝)まで、Apple TV+の人気作品のファーストシーズン全話を無料で楽しめるキャンペーンがスタート。Apple IDを持つ日本のユーザーであれば、Apple TV+への登録がなくても無料で楽しむことができる。
ラインナップは、「ファウンデーション」「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」「Pachinko パチンコ」「スヌーピーのショータイム!」「太古の地球から~よみがえる恐竜たち~」の5作品。それぞれの見どころをピックアップしてみよう。
新年の初泣き&笑いにぴったりな「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」
泣けて笑えて、新年早々とても前向きになれるコメディシリーズが「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」。『モンスター上司』(11)などで知られるジェイソン・サダイスキがゴールデン・グローブ賞テレビ部門(ミュージカル/コメディ)主演男優賞を受賞した役柄は、アメリカの大学フットボールコーチから、英国プレミアリーグのサッカーチームのコーチに転職したテッド。“フットボール違い”の新天地に乗り込んだテッドを待ち受けるのは、強烈な経営陣、一筋縄ではいかないスタッフ、選手、そしてメディアやファンたちだ。
カルチャーギャップを克服しながら、持ち前の前向きさでチームをまとめていくテッドの手腕に感動し、レベッカ(ハンナ・ワディンカム)やキーリー(ジュノー・テンプル)、ロイ(ブレッド・ゴールドスタイン)との間に芽生える大人たちの友情に涙する。アメリカのテレビ界の最高賞・プライムタイムエミー賞での受賞歴も目覚ましい。初年度の2020年はファーストシーズンとして史上最多の20部門ノミネート、2021年はコメディシリーズ部門の作品賞、主演男優賞(ジェイソン・サダイキス)、助演男優賞(ブレッド・ゴールドスタイン)、助演女優賞(ハンナ・ワディンカム)、キャスティング賞など7部門を受賞している。現在シーズン2まで配信中で、ドラマ人気と共にキャストは方々で活躍するように。意外な役で、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)や『ソー:ラブ&サンダー』(22)といった作品に出演している。
在日コリアン一家の苦悩に本格アプローチした「Pachinko パチンコ」
韓国系米国人作家ミン・ジン・リーが著した「Pachinko パチンコ」は、オバマ元大統領がお気に入りの書籍として挙げ、「The New York Times」紙にリスト入りしたベストセラー。1910年代から90年代まで、4代にわたる在日コリアンの一家の歴史を追う壮大な前後編数百ページの小説を、見事に再構成しドラマ化している。
日本占領下の朝鮮半島・影島。まだあどけない少女・ソンジャ(キム・ミンハ)は、日本を相手に商売をするハンス(イ・ミンホ)と出会い子供を宿す。だが彼には家族があり、ソンジャは牧師のイサク(ノ・サンヒョン)と結婚し日本に渡る。それを回想する現代のソンジャを『ミナリ』(20)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したユン・ヨジョンが演じており、「花より男子〜Boys Over Flowers」のイ・ミンホ、「エージェントなお仕事」のノ・サンヒョンがともにイメージを一新する演技を見せている。そのほか南果穂や澤井杏奈が日本人キャストとして出演していることも話題だ。
『ブルー・バイユー』(21)のジャスティン・チョン監督と『アフター・ヤン』(21)のコゴナダ監督がそれぞれ4話ずつ演出し、複雑な物語をスムーズにかつ没入感の高いシーズンを作り上げた。グラス・ルーツの「今を生きよう」をバックに出演者たちが踊るオープニング映像は、一度観ただけでも強い印象を与え、エミー賞でメインタイトル賞を受賞している。
SFの名著を現代に語り直す叙事詩ドラマ「ファウンデーション」
SF小説の大家、アイザック・アシモフの原作小説(「銀河帝国興亡史」)を原作に、銀河帝国の滅亡と文明再建の壮大なサーガを描く「ファウンデーション」。ドラマ「チェルノブイリ」で原子力発電所の副所長レガソフ博士を演じたジャレッド・ハリスが銀河帝国の数学者を演じ、ドラマ化にあたり原作小説と大きく変えた設定が、2020年代のドラマシリーズとして見事に作用している。数々のSF映画の基礎となったと言われる叙事詩ドラマシリーズも、連休中ならば腰を据えて観ることができる。