“宇多田ヒカル世代”がこだわり抜いた「First Love 初恋」制作秘話!満島ひかり&佐藤健の貴重なオフショットも
満島ひかりと佐藤健をダブル主演に迎え、宇多田ヒカルの名曲からインスパイアされた男女の20年余りにわたる愛の物語を描いたNetflixシリーズ「First Love」(配信中)。本作で監督と脚本を務めたのは、1982年生まれの“宇多田ヒカル世代”である寒竹ゆり監督。劇中で描かれる時代を、登場人物たちと同じように見つめてきた寒竹監督は、本作をどのように作りあげていったのだろうか。貴重なメイキング写真と共に紹介していこう。
物語の始まりは1998年。北海道の田舎町で出会った也英と晴道は、運命を感じ瞬く間に恋に落ちる。やがて高校を卒業すると、也英はCAになる夢を叶えるために東京の大学へ、晴道は航空学生として自衛隊に入隊し、離れ離れに。そして些細なことでケンカ別れをしてしまう。それから20年近くの月日が流れ、タクシードライバーとして生計を立てる也英と、自衛官を退官してセキュリティ会社で働く晴道は、偶然にも同じ町で、それぞれの人生を歩んでいた。
徹底的なリサーチで描かれる、“初恋”を彩る20年の歳月
1999年に発表され、収録されたアルバムは日本歴代1位の売上枚数を記録する社会現象となった「First Love」。それから19年後に発表され、「First Love」と対になるような世界観が綴られた「初恋」。この二つの楽曲からインスパイアされた本作は、両楽曲を繋ぐ約20年という歳月に着目し、宇多田ヒカルと同世代を生きた主人公たちの物語というアプローチから企画がスタートしたのだという。
自ら脚本も手掛けた寒竹監督。その脚本作りは、まさに取材三昧だったという。登場人物たちの設定を決めると同時に、様々な変化が訪れた1999年から2018年の約20年間におけるカルチャーや社会情勢、自然災害などを徹底的にリサーチ。さらに主人公たちの職業であるタクシードライバーや自衛隊員の日常から、劇中で取り上げるありとあらゆる分野にも取材を重ねていき、それらをパズルのように組み合わせて物語が作られていく。
“初恋”というとても私的で普遍的な題材を扱いながらも、それを宇多田ヒカルの楽曲世界と密接に絡み合わせるための時代性。その両立によって、この壮大なラブストーリーは、より忘れがたいものへと形づくられていったのだろう。