「ガンニバル」原作者×柳楽優弥による独占対談!物語誕生秘話や撮影トリビアまで語り尽くす「実はあそこに監督が写ってるんです」
「週刊漫画ゴラク」にて2018年から2021年まで連載され、累計発行部数210万部を突破した二宮正明の漫画「ガンニバル」が、『さがす』(22)の片山慎三監督×『ドライブ・マイ・カー』(21)の脚本家、大江崇允のタッグで実写ドラマ化。ディズニープラス「スター」にて独占配信中だ。
日本の辺境にある供花村。「この村では人が喰われているらしい」という恐ろしい噂がある山間の村に赴任してきた駐在員の阿川大悟(柳楽優弥)は、村を牛耳る後藤家との衝突のなかでこの村が抱える秘密に踏み込み、徐々に狂気の世界へ落ちていく――。このたびMOVIE WALKER PRESS独占で、二宮と柳楽の特別対談が実現。漫画とドラマ、それぞれの貴重な制作背景がひも解かれた。
※以降、1話・2話のストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「1ページ描き上げるのに大体5時間くらいですね」(二宮)
――二宮先生は、本作の撮影現場を訪問されたそうですね。
二宮正明(以下、二宮)「2話の冒頭にある葬列シーンの撮影を見学しました」
柳楽優弥(以下、柳楽)「学校の前から、裏の山に入っていく葬列を見るシーンですね」
二宮「そうですね。作中で“あの人”と呼ばれるキーパーソンを演じる方もいらっしゃって、『見た目がこういう風に仕上がってるんだ』と感じましたし、柳楽さんはじめキャストの方もたくさんいて全体像が見えるシーンでした。しかし、一番驚いたのは『一つのシーンを撮るのにこんなに時間がかかるんだ』ということ。『正直長い…』と思いました(笑)」
柳楽「特にあのシーンは時間がかかりましたね。“あの人”のほかにもすみれ(北香那)という新たなキャラクターが登場するなど、一つのシーンにかなり多くの要素が入っていましたから。とはいえ、片山組は基本的に時間がかかります(笑)」
二宮「そうなんですね(笑)」
柳楽「漫画の場合だと、1ページ描き上げるのにどれくらい時間がかかるものなんですか?」
二宮「大体5時間くらいですね。もちろんページにもよるのですが、早くて3時間、かかる時は5時間といった感じです。そう考えると、こっちも同じくらい時間がかかっていますね(笑)。葬列のシーンって実際のドラマの尺だと2分くらいかと思いますが、僕も1話の分量に対して、それくらいの割合のページを、同じようなペース配分で描いているのかもしれない」
――その時が初対面だったかと思いますが、お2人でお話はされましたか?
二宮「いや、そこまでは話せなかったかな」
柳楽「片山さんやスタッフさんと『二宮先生が吉岡里帆さんと写真を撮ってもらってる!』と見ていました(笑)」
二宮「でも、柳楽さんにも一緒に写真を撮っていただきました。『僕に拳銃を突き付けて下さい!』と無茶なお願いをしてしまって『できません!』って(笑)」
柳楽「初めてされたリクエストでした…」
二宮「あれは『ソナチネ』のイメージでした(笑)」
柳楽「なるほど、そういうことだったんですね(笑)」
――二宮先生は原作で大悟を35~6歳くらいに設定されていたそうですね。ただ、より若い年齢の柳楽さんが、非常に役柄にハマっていたとお話しされていました。
二宮「僕が完成版を鑑賞できたのが現時点だと2話までなので、ちょうど大悟の狂気が見え始めるところなんですよね。これからどんどん狂気があふれてくると思うので、いち視聴者として続きを楽しみにしています」
柳楽「僕としてはキャスティングされた以上、年齢の差は気にしすぎてもしょうがないと思っていました。逆に、年齢以外で僕が演じる大悟の強みが見つかるといいなと思って取り組んでいました」