新宿の繁華街で人体発火の圧倒的リアリティ!藤井道人監督のドラマ「インフォーマ」撮影現場に潜入
リアルな人体発火の撮影現場を目撃!
スタントマンのスーツに大量の耐火剤が塗り込まれ、完全にスタンバイ。「はい本番!」の掛け声と共にいっきに緊張感が増す。数十名ものスタッフが息をのみ、そのシーンを見守る。深夜の新宿、奇跡的に無音となった瞬間、「うわわぁぁぁっつ!!」とスタントマンの名演と共に発火!
目の前を火だるまとなった人が走り去っていく。と同時にカメラマン、音響、照明など十数名のスタッフも並走、突然の異様な光景に驚愕する演技をするエキストラたち、とその場にいた全員が連動しながらこの一瞬に集中力を注ぎ込み、完璧にやり遂げた。
「カット!」の声と共に消火器を一斉に吹き付けられるスタントマン。白い煙の中から起き上がった彼の表情は安堵と達成感に満ち溢れていた。と思ったのもつかの間、なんと別アングルからのカットをいくつか撮るため、このあとも何度か発火するという。新宿の夜はまだまだ終わらないのだ。
リアリティを追求、藤井監督作品の魅力にたっぷり浸かる
人体発火のシーンを無事撮り終え、撮影現場にて製作の関西テレビコンテンツビジネス局の豊福プロデューサーに話を聞いた。「まずは人体発火のシーンの撮影が無事に終わってよかったと思いました。監督ともお話したのですが、地上波ではなかなかできないことにチャレンジしている作品です。今回のシーンでも、いまの時代、安全面からすると実際には火をつけないでCGで火をつけることが多いです。しかし、もちろん安全第一なんですけれども、リアリティを追求していくと、実際に人が動いた時に炎がどう動くのかなど、やはりリアルに勝るものはないところがあります」。
加えて、プロデューサーの目線で、藤井監督の作品の魅力について語ってくれた。「登場人物の息使いが聞こえるというか、セリフじゃないところの空気までもがものすごく臨場感があってリアルだと思います。いわゆるドラマの物語的なフィクションではない、ドキュメンタリーに近いリアリティを持っているところは本当にすごいなと思います」。
最新技術に頼らず、本当のリアリティを追求した撮影は、まさに本作が投げかける問い、「あなたに見えているものは本当に真実だろうか?」を地でいく撮影だった。本物にこだわり、そのうえでエンタテインメントも決して忘れない藤井監督の最新作に期待せずにはいられない!
取材・文/佐藤英樹