デンゼル・ワシントン版を超えるエッセンスとは?全米で記録的人気作「イコライザー」に迫る
最強のシングルマザーが悪党に正義の鉄槌を下すドラマ版「イコライザー」
最新ドラマ「イコライザー」は、これら原作ドラマ版と映画版の両方から魅力を引き継ぎつつ、現在ならではの見どころや要素を盛り込んでいる。まず主人公は男性から女性に変わり、名前はロバートからロビンになった。演じるラティファは、身長が178cmもあり、高校のバスケ部ではパワーフォワードを担当。身体能力の面でもアクションのヒロインにふさわしい。舞台となるニューヨークの隣、ニュージャージー州の出身で、10歳の時に母親と別れた父親は警察官だったという。
このロビン・マッコールだが、原作ドラマ版と映画版のロバートが孤独な生活だったの対し、彼女には一緒に戦う仲間がいれば、プライベートでも友人がいる。しかも彼らの顔ぶれに女性やマイノリティが多いことに気づく。“イコライザー”という英語は等しいを意味するイコールの派生語で、“等しくするもの”“均一にするもの”という意味があり、本作のロビンはより積極的に“格差”“差別”を取り除こうと全力で戦う。彼女が解決に乗り出す事件も、女性が被害者であることが多い。ロビン自身もシングルマザーであり、女性の視点を重視した点で、本作は原作ドラマ版や映画版を超えたと言える。
そのうえで、流れるような手捌きで銃を的確に連射し、屈強な大男相手にもいっさい怯むことなく投げ飛ばすなど、銃撃戦も格闘アクションも過去作に負けじと大迫力になっているというのだからおもしろい。
勧善懲悪DNAに新エッセンスが注入!最高に爽快な1作
悪党に拳銃を向けて「動くな」と告げた直後、ちょっとでも動いた悪党をすぐに射殺してしまうロビン。男性2人、女性1人が演じた3人それぞれの“マッコール”には共通項がある。スペイン語がルーツの英語“Vigilante(ヴィジランテ)”、日本語に訳すと“自衛団員”だ。いつの時代も政治が不安定だと、市民は自分たちで自分たちを守ろうとし、時には法律の枠から逸脱する。だが現在は21世紀。コンプライアンス重視の風潮でこれは難しいから、映画やドラマのファンはフィクションの世界で正義の味方を応援するのだ。
原作ドラマ版と映画版、両方のファンも楽しませながら、これら2つからDNAを継承し、多様性×チーム戦×シングルマザーという最新のエッセンスを加えて進化を遂げたのがこの最新ドラマ「イコライザー」。最新ドラマ版もワシントン主演の映画版も、しばらく旋風を巻き起こし続けそうだ。
文/池田敏
AXN独占放送
字幕版:2月11日(土) 毎週土曜日 23:00スタート
二カ国語版:2月15日(水) 毎週水曜日 23:00スタート
イコライザー シーズン1(全10話)
二カ国語版:2月6日(月)~2月10日(金) 12:00スタート 2話連続
字幕版:2月11日(土)12:30スタート 全10話 一挙放送
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