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最終話目前!「ガンニバル」に沼ったライター&編集部が語る推しポイント「日本で『こんなすごいことができる』と示した」

インタビュー

最終話目前!「ガンニバル」に沼ったライター&編集部が語る推しポイント「日本で『こんなすごいことができる』と示した」

「実力派の役者さんを脇の登場人物に配置して、それぞれが印象的な演技をされている」(別所)

須永「大悟以外で印象に残ったキャラクターはいますか?私は中村梅雀さん演じる村のリーダー、さぶ。よそ者の大悟一家を歓迎していると見せかけて、実は盗聴(?)を行うなど監視をしていて、村のルールから外れた者への容赦ない態度とか本当にイヤだな~と思いました」

村のリーダー、さぶらからの歓迎を受ける大悟たちだったが…
村のリーダー、さぶらからの歓迎を受ける大悟たちだったが…[c]2022 Disney and its related entities

別所「中村さんがいい味を出しすぎて、(いい意味で)イライラさせられますよね(笑)。さぶ含め、サブキャラクターは皆個性が立っていますよね。例えば、供花村を支配している後藤家の新当主、恵介(笠松将)を支える岩男は、『ヘルドッグス』にも出演しているほか、劇団四季のミュージカルでも活躍されている吉原光夫さんが演じています。『この人どこかで見たことあるな?』と思って検索をすると、有名な作品に出演されている方だったりするんですよ。そういった実力派の役者さんを脇の登場人物に配置していて、それぞれが印象的な演技をされているので、全員が重要なキャラクターに見えてきて、少しも目が離せなくなります!」

村人たちの制止を振り切って強引な捜査を行う大悟
村人たちの制止を振り切って強引な捜査を行う大悟[c]2022 Disney and its related entities

SYO「エキストラの方もいわゆる募集の形ではなく、オーディションをしたそうですね。柳楽さんから伺ったのですが、自ら『入れ歯を外しましょうか?』と提案してくる村のおばあちゃん役の方もいたみたいで、その真剣さに片山監督も喜んでいたそうです。僕はさぶの娘、加奈子を演じた山下リオさんがよかったな」

高橋「僕もです。物語開始の数年前に産んだばかりの赤ん坊を死産で失ってしまって、大悟の娘であるましろ(志水心音)に執着するなど、精神的にも不安定になってしまった女性を見事表現しています」

SYO「そうそう。加奈子がいることで、ただ過激なだけじゃない、根底にある親と子の絆というテーマが作品に流れていることを示していると思うんです。それが物語のキーにもなっていて。あと、原作以上に加奈子と有希のつながりが描かれているので、そのテーマをより際立たせたかったのかな?とも想像します」

別所「原作以上に女性キャラクターの存在感が立っていますよね」

SYO「たしか、第1話で男たちが山狩りに行く時に、女性陣が飯炊きをしているのですが、これって原作にはない描写ですよね」

別所「はい。ないですね」

子どもを死産したというさぶの娘、加奈子(山下リオ)
子どもを死産したというさぶの娘、加奈子(山下リオ)[c]2022 Disney and its related entities

SYO「男性主体の物語にならないように、今回のドラマでは配慮されている印象ですよね。大悟や男性キャラクターの動きを追う一方で、有希らの動向もしっかりと見せてくれる。そのうえで、彼女と加奈子のファーストコンタクトもあるわけで、エピソードとエピソードの繋げ方が本当にうまいなと思いました」

須永「男性は狩りに行き、女性は飯炊き。村に根付く男尊女卑みたいな部分もしっかりと視覚化されているわけですね。高橋さんは気になるキャラクターはいますか?」

高橋「第2話のラストシーンで大悟を鎌で襲う謎の存在、“あの人”のビジュアルのインパクトが強すぎて…」

SYO「“あの人”も実写化における不安要素の一つでしたよね。クリーチャーすぎると現実味がなくなるので、そのバランスが重要。人間のある種の進化系のようなギリギリの造形が大切なので、その配分は絶妙だったと思います。漫画の実写化って最初から原作のコマという正解の画があるので、難しいとおっしゃる監督さんもいらっしゃるんです。本作はストーリーにおいてもすごく丁寧に作られていて、端折ったりはせず、むしろ原作にはない“間”の部分も描いており、すばらしい漫画の実写化だと思いました」

【写真を見る】驚きの再現度で“あの人”を演じたのは…「バチェロレッテ」シーズン2出演の澤井一希!
【写真を見る】驚きの再現度で“あの人”を演じたのは…「バチェロレッテ」シーズン2出演の澤井一希![c]2022 Disney and its related entities

「柳楽さんを中心にものすごいエネルギーが渦巻いています」(高橋)

須永「これからドラマを観る方はどこに注目するといいですか?」

SYO「やっぱり大悟役の柳楽さんですね。物語を牽引する存在ですし、動向がすごく気になる。そのうえで、さぶをはじめとする強烈な登場人物が次々と現れるので、そこも楽しんでもらえれば」

別所「いかにもサスペンス的というか、ストーリーを追っていくなかでたくさんの謎があるのですが、それを解決する時に、あまり重要そうでない登場人物があとからすごく効果的な役割を担っていたりします。なので、登場人物一人一人の目線とか、小さな動き一つとして見逃せないです」

須永「ドラマなので、そういう気になった箇所をすぐに観返せるのもいいですよね」


物々しい儀式が行われている供花村
物々しい儀式が行われている供花村[c]2022 Disney and its related entities

高橋「この作品って“ヴィレッジ・サイコスリラー”と謳っているじゃないですか。村社会を描いているはずなのに、すごくアクティブなのが新鮮だなと思いました。『八つ墓村』みたいな狂気性もありますが、アッパーな部分もすごくあって、柳楽さんを中心にものすごいエネルギーが渦巻いていますよね」

SYO「高橋さんの言葉通りで、いわゆる“村モノ”って主人公がおぞましいコミュニティに入っていて、恐ろしい目に遭うというのが一般的なパターン。ただ、この作品の場合、大悟が一番ヤバい人間なので、彼を舐めてかかった後藤家や村人たちが逆にひどい目に遭ってしまう『96時間』や『イコライザー』『サプライズ』のような“ナメテーター”作品的なところもおもしろいです」

別所「あとは、後藤家の過激派、睦夫(酒向芳)がロックシンガーみたいな革手袋をしていたり、衣装でも登場人物の個性を立たせているなと感じました。大悟の前任の駐在で行方不明になった狩野(矢柴俊博)の娘、すみれ(北香那)も原作だと森ガールみたいなガーリー系なのですが、ドラマではお団子頭で大きめのイヤリングをしているような、ちょっと美大生っぽい雰囲気になっていました」

SYO「睦夫役の酒向さんで言うと、第3話で大悟を襲う際の出で立ちなんかは、完全に『ダークナイト』のジョーカーでしたね(笑)」

後藤家の過激派、睦夫(酒向芳)。執拗に大悟を狙う
後藤家の過激派、睦夫(酒向芳)。執拗に大悟を狙う[c]2022 Disney and its related entities
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