新宿繁華街ロケのパイオニアに!「インフォーマ」制作者&ロケ担当「ここまでできるという“背中”を見せた」
桐谷健太演じるあらゆる業界に精通した元ヤクザの“情報屋”と、佐野玲於(GENERATIONS)演じるスクープを狙う週刊誌記者が、謎の連続殺人事件を追うクライムサスペンス「インフォーマ」。関西テレビ(関西地区)にて毎週木曜深夜0時25分より放送、Netflixにて全世界配信も決定しているこのドラマは、沖田臥竜が原作・監修を手掛け、『新聞記者』(19)、『ヤクザと家族 The Family』(21)など数々の話題作を世に送りだした藤井道人が総監督を務めている。「深夜枠にしておくのはもったいない!」「30分ドラマとは思えない」といった視聴者の声も上がっている。
日本一の繁華街、新宿を舞台に、人体発火や車を牽引しながらの撮影、体当たりのスタントシーンの撮影を実現している本作。日本一撮影許可を取るのが難しいとされる新宿で、藤井監督のこだわりを実現するために、いったいどんな動きがあったのか。本作のラインプロデューサーの吉田信一郎と、映画やテレビドラマに撮影可能なロケ地の情報を提供し、案内、調整も行う「東京ロケーションボックス」の遠藤肇に撮影裏話を尋ねた。
「同業者と視聴者の両方を驚かすことができた」(吉田)
――現在放送中の「インフォーマ」はSNS上でも絶賛されていますね。撮影は2022年夏に行われたそうですが、改めて本作の仕上がりを観た感想はいかがでしょうか?
遠藤「自分たちが段取りをしたシーンばかりが気になって、初見ではあまり中身が入ってこないのですが(笑)。日本のテレビドラマとは思えないような非常に迫力のある仕上がりと感じるシーンが多々あって、改めて感心しています」
吉田「関西テレビの深夜30分枠のドラマ。潤沢な予算で作ったものではありませんが、その枠を超えたクオリティになっていると自分でも確信を持っています。同業者からの反響も大きく、『新宿でどうやって撮ったの?』という連絡も実はたくさん来ていて。同業者と視聴者の両方を驚かすことができたと実感しています」
――どのような経緯で東京ロケーションボックスさんに依頼をしたのでしょうか?
吉田「都内での撮影では、まず遠藤さんに連絡というのが僕のなかにあって(笑)。最初は遠藤さんに電話するというのが、最近のパターンになっています。迷惑がられている気もするけれど…」
遠藤「電話なら着信拒否、メールならスパムメール扱いしている相手です(笑)」
吉田「アハハハ。迷惑がられているかもしれないけれど『インフォーマ』の前にも、海外作品で東京封鎖など大規模なことを東京ロケーションボックスさんがやっているというのを聞いていたこともあり、『頼ったらいろいろできるのかな?』と思ったのが最初にお願いしたきっかけです。これまでほかの作品で協力していただいた流れもあり、今回はかなり難しいロケ地もあったのですが、いろんな撮影ができるという勝算を持っての相談でした」
――難しい撮影の相談が来ると予感しての着信拒否ですか(笑)?
遠藤「それでもお構いなしにぐいぐい来るのが吉田さんなので(笑)。今回は準備期間もあまりないなか、人体発火や車を牽引しながらの撮影など、とんでもないリクエストがあったので、ギリギリのなかでメチャクチャ調整しました」
吉田「遠藤さんはこうおっしゃっていますが、深夜枠ドラマのレベルで言うと、僕たちのなかでは時間はかなりあったし、かけたほうですよ」