鈴木亮平、お忍び鑑賞も告白!『エゴイスト』は「本当に誇り。一人の人間が世の中に与えられる影響ってすごい」と天国の原作者に感謝|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
鈴木亮平、お忍び鑑賞も告白!『エゴイスト』は「本当に誇り。一人の人間が世の中に与えられる影響ってすごい」と天国の原作者に感謝

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鈴木亮平、お忍び鑑賞も告白!『エゴイスト』は「本当に誇り。一人の人間が世の中に与えられる影響ってすごい」と天国の原作者に感謝

映画『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が2月11日にテアトル新宿で開催され、鈴木亮平宮沢氷魚、阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダ、松永大司監督が登壇。鈴木が「本当に誇り」と感激で声を震わせながら、本作への想いを語った。

『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が開催された
『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が開催された

高山真の自伝的小説を『トイレのピエタ』(15)の松永監督が映画化した本作。14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分を押し殺しながら思春期を過ごした浩輔(鈴木)が、シングルマザーである母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢)と出会い、惹かれ合っていく姿を描く。

SNSをチェックしているという鈴木亮平
SNSをチェックしているという鈴木亮平

上映後の会場を見渡した鈴木が「いかがでしたでしょうか」と語りかけると、割れんばかりの拍手が沸き起こったこの日。鈴木は「ついにこの日を迎えました」、宮沢も「すばらしい皆さんと一緒にこのステージ立てて本当にうれしい」、「氷魚くんの母親を演じた」と自己紹介した阿川は「いま感無量」と胸を押さえ、2020年に亡くなった原作者の高山とは生前に親交があったというドリアンも「胸がいっぱい。言葉にできない思いでいっぱい」と感激しきり。松永監督は「みんなで戦ったという言葉が正しいかはわかりませんが、一丸となってつくりました。多くの人に届いてほしい」と願っていた。

【写真を見る】笑顔を交わしながら、エゴサーチ事情を語り合った鈴木亮平&宮沢氷魚
【写真を見る】笑顔を交わしながら、エゴサーチ事情を語り合った鈴木亮平&宮沢氷魚

公開初日となった10日には、同劇場に観客として足を運んだという鈴木。「初めて客観的に観られた」と目尻を下げた鈴木は、「皆さんと一緒に観て、同じところで泣いて、いい経験をしました。いろいろな受け取り方ができる映画。観た方も、毎回感想が違うんだろうと思う。昨日思ったのは、“わがまま”ってステキだなと思った。わがままってエゴだし、愛だし、言葉にうまくできないからわがままになってしまう。それを言葉ではなくストーリーで伝えられるのは、映画の美しいところ」と本作から映画の力も感じたと話した。

ネットで満席状況を確認しているという宮沢氷魚。鈴木亮平から「宣伝担当の人?」とツッコミ
ネットで満席状況を確認しているという宮沢氷魚。鈴木亮平から「宣伝担当の人?」とツッコミ

本作に関しては、普段はしないエゴサーチをたくさんしているというのが宮沢で、「SNSをはじめ、各映画館の上映時間、どれくらい人が入ってくれているんだろうとずっとチェックしていました」とコメント。鈴木が「えらい!」と称えるなか、宮沢は「僕もさっきチケットを買った。『エゴイスト』で検索すると、バーっと感想が出てくる。そのなかに亮平さんの『昨日行きました』というツイートもあった」と鈴木が劇場に足を運んでいることもSNSで知ったそうで、「亮平さん、誘って!と思った」とさみしがり、鈴木と会場も大笑い。すると鈴木もエゴサーチに励んでいるといい、「完成披露から、たぶんいちツイートも逃さず読ませていただいています」とにっこり。宮沢は「僕たちが想いを込めてつくった作品が、たくさんの人に届いていることを実感します。とても充実した時間を過ごしています」と作品を送りだした自分たちチームの想い、受け取ってくれた観客の想い、その両方を実感して胸を熱くしていると笑顔を見せた。


同じく公開初日に映画館に足を運んだと続いたのがドリアンで、「ゲイの方がたくさんいらっしゃっていた」と報告し、「私はゲイ当事者の一人として出演させていただいた。感想のなかには、日本の映画のなかでは、これまでなかなか自分ごととして思えるゲイを描いた映画がそんなになかった。本作に関しては『あまりにも自然すぎて、映画であることを忘れるくらい、明日自分に起きるかもしれない、隣でいま起きているかもしれない(と感じる)、僕たちの映画だよね』という感想をいただいた。すごくうれしいし、携わらせていただけてすごく誇らしい」としみじみ。

鈴木亮平、瞳を潤ませながら胸の内を明かした
鈴木亮平、瞳を潤ませながら胸の内を明かした

それぞれが並々ならぬ想いをあふれさせ、本作にどれほど情熱を傾けているかが伝わる舞台挨拶となったが、最後の挨拶になると鈴木は「この作品に携われたことを本当に誇りに思っている」と心を込めつつ、「原作にすごく感動して、ぜひやりたいと周りを説得してやらせていただくことになったんですが、届いた台本を見て『これじゃやれない』と監督に電話したこともありました」と告白。松永監督の「僕を信じてくれ」という言葉に背中を押されここまで辿り着き、「この映画を観た後の皆さんの表情を見ていると、あの時に監督を信じてよかったなと思う。こんな作品が出来上がるとは思わなかった。改めてありがとうございました」とお礼を述べた。さらに「この作品を生んだのは高山真さん」と原作者に触れると、声を震わせた鈴木。「高山さんがいなかったら、今日ここで皆さんとお会いすることもありませんでした。人生って突然終わることもあるけれど、本当にすばらしいなと思う。一人の人間が世の中に与えられる影響ってすごいんだなと、改めて今日感じています。高山さんは天国という言葉を信じていないとおっしゃていた方ですが、天国の高山さんに感謝したい」と天を仰ぎ、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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