実際にセットを燃やす監督のこだわりとは『ノートルダム 炎の大聖堂』IMAX予告編&監督のエピソードが公開

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実際にセットを燃やす監督のこだわりとは『ノートルダム 炎の大聖堂』IMAX予告編&監督のエピソードが公開

ジャン=ジャック・アノーがメガホンを取る『ノートルダム 炎の大聖堂』(4月7日公開)。本作より、IMAX予告編が新たに解禁。あわせてアノー監督が語る撮影エピソードも到着した。

『愛人/ラマン』(92)、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(97)などで知られる映画界の巨匠、アノー監督のもとにフランス最高峰の技術者が集い、全編IMAX認証デジタルカメラで撮影された本作。実際に大規模なセットを炎上させての撮影と、2023年のセザール賞最優秀視覚効果賞を受賞したVFXの融合により、圧倒的なリアリティと臨場感を再現し、驚愕の迫真性と映像美を見せている。

今回解禁されたIMAX予告編では、消防士たちの決死の突入からスタートする。燃え盛り、崩れ落ちていく大聖堂。危機的状況に陥っても「生きて帰れ」と命を諦めることはない消防士たち。まるでその場に居合わせているような大迫力の予告編となっている。

本作の撮影は、実際に大聖堂の内部で撮影できたシーンと、スタジオに大聖堂を模したセットを作り上げたシーンとで構成されている。アノー監督は「大聖堂の内部はいたるところに鉛があり、崩壊の危険性があるため立ち入り禁止のままになっていました。スタジオに複製のセットを建てました。セットに火を付ける時は何百もの調節可能なノズルから炎を出して撮影しました。身廊の大部分、螺旋階段、屋外の通路、北側翼廊の梁、それからクライマックスに登場する巨大な鐘楼の内部も、実物大のセットを作りました。つまり、火災で最もダメージを受けたノートルダム大聖堂の象徴的な部分を複製し、それらの火事の前と炎上中の姿を何としても見せたかったのです」と語る。

また監督は“ノートルダム大聖堂の構想、彫刻、建築が行われた場所で撮ること=この映画の精神”としてフランスで撮影することにこだわっていたというが、25〜30mという巨大なセットが十分入り、かつ完全に燃やされることになるこのプロジェクトに適したスタジオはなかったという。そのためサン=ドニにある2つのスタジオで撮影が行われた。ノートルダムの象徴的な尖塔とドーム型天井が崩れ落ちるシーン、初動の6人の消防士が到達する北側翼廊通路火災シーンを実物大のセットを作り撮影している。

スタジオには、ジャン=ピエール・ジュネやベルナルド・ベルトリッチ、ロマン・ポランスキーらの作品に携わってきたプロダクションデザイナー・ジャン・ラバスをはじめとした、経験豊富なスタッフが揃っていた。アノー監督は、「まずスタジオの中のフロア全体にプロダクションオフィスを設け、スケッチ、縮尺模型、3Dモデルなどを作りました。組み立てて遊ぶ段ボールや木製のおもちゃのような、ノートルダム大聖堂と鐘楼の縮小レプリカを複数用意しました。本物の設計図に従って作ったため、一つひとつの作成に数週間かかりましたが、これがあったために早い段階からカメラアングルや役者の配置、火を付ける場所、どうやってそこまで消火用の水や様々な安全装置を運ぶか、どこに非常出口を設置するかなどを想定することができました。緻密な準備作業のおかげで、実際に大聖堂やセットで撮影する時かなりの時間を節約することができました。この緻密な制作準備の間、それぞれの作業場で家具職人、左官職人、鉄工職人、ガラス職人、画家など、情熱を持った職人たちが喜びと誇りを持って仕事に取り組んでいる姿を見てとても嬉しかったです。彼らはみな、それぞれの専門分野では真のエキスパートですが、ゴシック様式の柱やアーチ型天井を作る機会などは滅多にないため、壁や像の風合いなど、複製するためのインスピレーションを得られるようにと、セットデザインのスタッフたちを何ヵ所か本物の大聖堂に連れて行きました。また、火事の熱で溶解し、屋根から地面や消防士のヘルメットに滴り落ちる鉛を再現する正しい方法を見つけるための実験も何度か行いました。私はこのクルー全員の熱意に支えられたのです」と、スタッフへの敬意を表した。


綿密な調査と経験豊かなスタッフたちの職人魂、そして巨匠、ジャン=ジャック・アノー監督の79歳にして衰えない映画への飽くなき熱意によって作られた奇跡のような映画『ノートルダム 炎の大聖堂』。キャスト陣の魂が込められた本作を、ぜひIMAXの臨場感で味わいたい。

文/サンクレイオ翼


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