北米興収は『クリード 過去の逆襲』がシリーズ最高成績で首位!『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」』の順位は?
3月に入って春の大作シーズンが到来した北米の映画界。その先陣を切るようにして公開された「クリード」シリーズの最新作『クリード 過去の逆襲』(5月26日日本公開)が、先週末(3月3日から5日)の北米興収ランキングを制した。
シルベスター・スタローン主演の「ロッキー」シリーズの精神を受け継ぎ、ロッキー・バルボアの永遠のライバルであるアポロ・クリードの息子アドニス・クリードを主人公にした「クリード」シリーズ。アドニス役のマイケル・B・ジョーダンが自ら監督を務め、スタローン演じるロッキーが登場しない今作は、アドニスが少年期に犯したあやまちによって刑務所に入れられたデイミアンが、アドニスへの復讐を誓ってリングに立つというストーリーが展開する。
4007館で公開され、3日間の興行収入は5837万ドル。シリーズ1作目の『クリード チャンプを継ぐ男』(15)はオープニング興収2962万ドル、2作目の『クリード 炎の宿敵』(18)はオープニング興収3557万ドルだったので、右肩上がりにそれらを大きく上回る好発進。前2作とも最終興収は1億ドルを突破しており、また歴代のボクシング映画の最高興収は『ロッキー4/炎の友情』(85)の1億2787万ドル。本作が新記録を樹立する可能性は非常に高いだろう。
この『クリード 過去の逆襲』でデイミアン役を演じているのは、2位にランクインした『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(日本公開中)で今後のMCUの重要なヴィランとなる征服者カーン役を演じたジョナサン・メジャース。
同じ俳優の出演作が北米興収ランキングでワンツーを飾るケースは意外と珍しいようで、両方主演作だったケースではジェシカ・チャスティンが2013年1月に『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)と『MAMA』(13)で、レオナルド・ディカプリオが1998年3月に『タイタニック』(97)と『仮面の男』(98)で達成している。今回のメジャースは、どちらも“敵役”という非常に珍しいパターンでそれを達成したことになる。
4位には『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(日本公開中)が初登場。1774館で1011万ドルという興収は、2021年4月に北米公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)と比較すれば半減近い興収にはなるが、テレビシリーズ前期の終盤+新シリーズ第1話の劇場上映であることを考えれば上々の成績。初日のデイリー興収では『クリード』に継ぐ2位の成績を叩き出しており、アメリカでも“鬼滅人気”が高いことをあらためて証明する結果となった。
文/久保田 和馬