カリスマティックな女優、キム・ダミ。その名を不動にした“魔女ユニバース”ダーク・ヒロインから28歳の現在地まで
キム・ダミのエッセンスを受け継ぐ少女が登場する『THE WITCH/魔女 ―増殖―』
そしてまもなく待望の日本劇場公開となる『THE WITCH/魔女 ―増殖―』では、秘密研究所アークが襲撃され、たった一人生き残った少女(シン・シア)が血まみれで歩く姿が好奇心を誘う。彼女は、遺伝子操作によって殺人マシンを生み出す“魔女プロジェクト”の実験体だった。心優しい牧場主の女性ギョンヒ(パク・ウンビン)とその弟デギル(ソン・ユビン)のもとに身を寄せた少女は、穏やかな日々のなかで少しずつ人間的感情を知っていく。しかし、少女を危険視したプロジェクトの創始者ペク総括(チョ・ミンス)は、凄腕工作員チョ・ヒョン(ソ・ウンス)を送り込む。
前作でキム・ダミは刺激的なヒロイン像を確立し、“魔女ユニバース”を創造した。そのエッセンスは、応募者1400名を超えるオーディションを勝ち抜き、少女役に抜擢されたシン・シアへと継承された。悲しげな眼差しに異様な力を秘めた壮絶な少女の姿には、前作のファンも満足することだろう。もちろん、キム・ダミも期待を裏切らない姿で登場するので、ぜひ楽しみにしていてほしい。
来る新作は、俳優としても活躍する香港の映画人デレク・ツァン監督の傑作青春映画をリメイクした『ソウルメイト(原題)』で、友情と愛、ノスタルジーが彩るみずみずしくも切なさに溢れた青春映画だ。先ごろ韓国で行われた試写会の後の懇談会でキム・ダミは、「ときどき記憶から取り出してみる感情を思い出すと、そのたびに違っている。本人だけが知っている思い出を、私たちの映画を見ながら感じてほしい」と語っている。また、パク・ヘスと共演するNetflix映画『大洪水』も確定している。
間違いなくこの春の話題をさらうであろう『THE WITCH/魔女 ―増殖―』と、公開が待ち遠しい『ソウルメイト(原題)』。それぞれでキム・ダミがどんな多様な表情を見せてくれるのだろうか。次なる活躍を楽しみに待ちたい。
文/荒井 南