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イケメンだけでなく一癖あるキャラでも魅了…低音イケボな諏訪部順一が、今度は“イケていないおじさん”に?

コラム

イケメンだけでなく一癖あるキャラでも魅了…低音イケボな諏訪部順一が、今度は“イケていないおじさん”に?

多彩な表現力で諏訪部が魅せる、冴えない“おじさんヒーロー”

【写真を見る】愛する家族を守るため哲雄は、半グレ組織に立ち向かう
【写真を見る】愛する家族を守るため哲雄は、半グレ組織に立ち向かう[C]山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会

そしていま演じているのが、「週刊ヤングマガジン」で連載中の人気漫画を原作にした、アニメ「マイホームヒーロー」の主人公である鳥栖哲雄だ。哲雄は、大学生の娘の彼氏が半グレ組織の一員で妻の実家の遺産をねらっていることを知り、娘を守るためにその彼氏を殺してしまう。家族を守るため、ミステリー小説で得た知識を駆使して半グレ組織からの追跡をかいくぐっていくというストーリーだ。

哲雄はなんの変哲もない平凡なサラリーマンで、唯一の武器は家族を守ろうとする深い愛。ブルブルと震えながら一つ一つ着実に事を進めていく哲雄は、どこか危なっかしさもありながら、一方で家族を守るためなら殺人も厭わない強さや冷静さをにじませる。諏訪部の豊富なキャリアがあってこそ、イケていない“おじさんヒーロー”が生き生きと画面のなかで躍動しているわけだ。


“イケボ”に注目がいきがちだが、諏訪部の活躍を支えているのは、悪役にでもオカマにでも、冴えない中年にさえもなれる幅のある演技力だろう。それをまざまざと見せつけているのが、「マイホームヒーロー」の鳥栖哲雄であり、これを契機に今後もいわゆるイケボとはギャップのある役柄を求められることになりそう。若手イケボ声優が続々と登場するなかで、圧倒的な演技力と独自の立ち位置で確固たる存在感を発揮する諏訪部順一の活躍に注目だ。

文/榑林史章

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