マリオとルイージの意外な関係、ヨッシーの姿が…!新作公開を機に観たいカルト作『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』
ヒロインがピーチでなく、なぜかデイジー!
ゲームの「マリオ」シリーズのヒロインといえばピーチがおなじみだが、本作ではなぜかデイジーが採用されているのも興味深い。大学の化石発掘チームでリーダーを務めるデイジーは、実は赤ん坊のころに異世界から人間世界へと隠されたダイノハッタンの王女であり、首からぶら下げる石を理由にクッパから命をねらわれることになる。
なぜデイジーが抜擢されたかについては詳しく語られていないが、公開当時のピーチの海外名がキノコ王国の王女に由来する「Princess Toadstool(きのこ姫)」であったため、さすがにブルックリンに暮らす女性の名前には相応しくなかったのでは?と、一部のファンの間では推察されているようだ。
双子ではなく義兄弟!マリオとルイージの珍設定の数々
主人公のマリオとルイージも原作とはかけ離れた設定だらけ。ゲームでは双子の2人は、映画では親子ほど年齢が離れており、マリオが孤児だったルイージを引き取ったという義理の兄弟設定となっている。ルイージが一目惚れしたデイジーに声をかけるシーンではマリオが助け舟を出すなど、映画ではルイージが実質的な主人公で、マリオは保護者のようにサポートするサイドキック的な存在なのもおもしろい。
さらに、劇中で2人のフルネームがマリオ・マリオとルイージ・マリオだったというギャグが散りばめられているが、これも映画オリジナルの設定。なおマリオがやたらと女性の扱いが上手かったり、ルイージがなにかと勘に頼って行動したりと意味不明なディテールも多いが、これもご愛嬌ということで楽しみたい。
恐竜ヨッシーに、菌糸体キノコ…ガチすぎるぜ!
中年おじさんのマリオ、顔と体のバランスが真逆のクリボーなど、ショッキングなキャラクターばかりの『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』だが、なによりもインパクト抜群なのが、ダイノハッタン国王のペットとして登場するヨッシー。ゲームでは大きな鼻が愛らしいキュートなビジュアルをしているが、本作ではなんとガチの恐竜として登場するから驚かされてしまう。
マリオシリーズといえばキノピオ、キノコ王国など随所にキノコ要素がキュートに盛り込まれているが、本作ではそんなキノコが菌糸体の姿で登場するガチっぷり。キノコ菌はしばしばマリオたちをサポートしてくれるが、気持ち悪い見た目からマリオからは「巨大な鼻水」と一刀両断されてしまうのがなんともかわいそう…。
ゲームからかけ離れた珍妙な世界観やもたついた話運びなど、観ていてなにかと?マークが頭に浮かぶ本作だが、原作のことを一旦忘れればそれなりに楽しめ、ユニークなクリーチャーなどビジュアル的におもしろいところも多数。どこか憎めない作品となっているので、新作の公開を機にチェックしてみては?
文/サンクレイオ翼