【リレー連載第5回】長州力『聖闘士星矢 The Beginning』で回想…「かませ犬発言」藤波辰爾との出会いと直感「彼とぶつかり合えてよかった」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【リレー連載第5回】長州力『聖闘士星矢 The Beginning』で回想…「かませ犬発言」藤波辰爾との出会いと直感「彼とぶつかり合えてよかった」

インタビュー

【リレー連載第5回】長州力『聖闘士星矢 The Beginning』で回想…「かませ犬発言」藤波辰爾との出会いと直感「彼とぶつかり合えてよかった」

新田真剣佑がハリウッド映画初主演を果たし、車田正美の大ヒット漫画「聖闘士星矢」を実写映画化した『聖闘士星矢 The Beginning』(公開中)。本作で描かれるのは新田扮する主人公、星矢のはじまりの物語。幼いころに姉と生き別れになり、スラム街の地下格闘技で生計を立てていた星矢は、ある男との出会いをきっかけに、女神アテナの生まれ変わりの女性、シエナを守るという自らの使命を知ることとなる。

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【写真を見る】「予告を観ただけでも興奮する」と長州力を魅了したシーンは?[c]2023 TOEI ANIMATION CO., Ltd. All Rights Reserved

タイトルの「The Beginning」とは“はじまり”のこと。星矢が自身のなかに秘められた力、小宇宙(コスモ)の存在を知り、シエナを守る使命を告げられ、聖闘士としての道を歩みだしたように、誰の人生にも“はじまり”がある。「運命を、超えてゆけ。」という映画のキャッチコピーは、そんな“はじまり”を迎えた聖矢を鼓舞する言葉だ。MOVIE WALKER PRESSでは、世代を超えて人々に感動と勇気を与えるべく戦い続けるプロレスラーたちにその言葉を重ね、プロレス界のスター5人にインタビューを実施。「私の“The Beginning”」と題して、プロレス人生での出会いや気づき、ターニングポイントなどを語ってもらった。熱い想いを抱く彼らの言葉から、明日を生き抜くメッセージを受け取ってもらいたい。

第5回に登場するのは“革命戦士”の異名でプロレスブームのいち時代を築いたレジェンド、長州力。大学時代はアマチュア・レスリングで活躍し、1972年のミュンヘン五輪の出場を経て、翌年1973年に新日本プロレスに入門し、プロレスラーの道を歩み始めた。体を動かすことが大好きだったという少年時代の長州は「取っ組み合いをして、ねじ伏せるのってちょっとおもしろい」とレスリングに興味を抱く。「投げられたら終わりの相撲とはちょっと違う。そんなところに惹かれたのかもしれません」と少年時代を振り返る。レスリングは野球のようにグローブやバットなどの道具を揃える必要がない。「海水パンツ1枚あればできる手軽さにも興味を持ちました」と笑顔で語った。

「最後までやり通したスポーツはアマチュア・レスリングだけ」

アマチュア・レスリングからオリンピックを経てプロレスラーに。その道を選んだことに大きな理由はなかったとニヤリ。「オリンピックを目指したのは東京オリンピックの試合をテレビで観たから。当時、僕の家は白黒だったけれど、カラーテレビのある友達がいて。みんなで集まって試合観戦をしました。カラーで観たら白黒とは違う迫力を感じて。単純に『この世界に入りたい』と思ったのがきっかけです。当時、地元の山口県には『アニマル1』という漫画にも出てくるほど有名な斎藤道場というのがあって。ちびっ子向けの道場で、メダリストもたくさん輩出しているし、いまは日本全国にあるほど有名。この道場に通ってレスリングに夢中になって。僕の人生で最後までやり通したスポーツはアマチュア・レスリングだけ」とレスリングとの出会いからハマるまでの経緯に触れた。

「親に負担をかけたくなかったし、裕福な家でもなかった」という理由で、進学を悩んでいたが高校の先生から奨学金制度をすすめられ、大学進学を決意する。「オリンピックという夢をしっかり持ってはいたけれど、出られるかどうかは別の話。オリンピックに出られる保証もないのに、大学に行ってレスリングを続けたいとは言いだせなくて。だって、別に勉強したいことがあるわけじゃなかったから」と当時の気持ちを正直に打ち明け「高校の先生のすすめがなかったら、進学の決断はできてなかったかもしれません」としみじみ語った。


無事に大学に合格し上京した長州の上京1日目には苦い思い出がある。「あの日のことはハッキリ覚えています。いまはもう走っていない寝台列車、山陽本線あさかぜに乗って、布団を抱えて東京に向かいました。無事、東京に着いたはいいけれど、ここからが大変だった。到着したのはラッシュアワー。東京駅の出口はまったくわからないし、人に聞いてもあっちだこっちだと全然目的地に着けなくて。どうしよう…って考えた時に、お袋からもらったお金を思い出して。『なにかの時に使いなさい』ってことだったんだけど、初日にどうにもならなくて使ったよね(笑)。生田までタクシーで行ったの。いま思うと相当なムダ遣い。苦い思い出だけど、いい思い出です」と上京初日の出来事を教えてくれた。

■プロレス界のスターが語る「私の“The Beginning”」
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■第1回 棚橋弘至の“The Beginning”
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■第2回 本間朋晃の“The Beginning”
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■第3回 永田裕志の“The Beginning”
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■第4回 オカダ・カズチカの“The Beginning”
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