HiHi Jets作間龍斗、衝撃作『ヴィレッジ』でキラリと光る役者としての存在感
ジャニーズJr.内ユニットであるHiHi Jetsのメンバーとして、歌に演技にバラエティにと大活躍中の作間龍斗。この4月にはWOWOWオリジナルドラマ「ながたんと青と-いちかの料理帖」がスタートし、門脇麦が扮するヒロインの15歳年下の夫を好演している。
そんな作間が出演する『ヴィレッジ』がいよいよ公開!『新聞記者』(19)、『余命10年』(22)の藤井道人監督が横浜流星を主演にオリジナル脚本でつづる本作は、閉鎖的な“ムラ社会”を舞台に現代のリアルな闇を色濃く映した衝撃サスペンスだ。娯楽性も兼ね備えた社会派の作品を手がけ、昨年6月に亡くなったスターサンズの代表である河村光庸がプロデュースを務めた。
本作で作間は作品のテーマを伝える一翼を担い、登場シーンは少ないながらも印象的なキャラクターを体現した。そこで今回はキラリと光る存在感で観る者を魅了する、作間の役者としてのこれまでを振り返ってみたい。
「DIVE!!」の天才ダイバー役で井上瑞稀、高橋優斗とトリプル主演!
2018年から本格的なアイドル活動をスタートさせた作間は、ジャニーズJr.8人で出演する「恋の病と野郎組」で俳優デビュー。共学なのに男女比の都合で男子ばかりの“野郎組”になってしまった男子高校生8人が、恋に友情に全力疾走する青春ラブコメディだ。作間が演じたのはサッカー部に所属する“空気が読める”クールな七瀬誠役。「女子と話せない病」をこじらせながらも、女性教師にアプローチしていく姿にキュンキュンさせられた。
そして早くも作間の代表作の1本となったのが、井上瑞稀、高橋優斗のHiHi Jetsトリオでトリプル主演した「DIVE!!」。原作となった直木賞作家の森絵都による人気小説は、これまでラジオドラマ、コミック、アニメ、舞台と多彩にメディア展開されているほか、過去には林遣都、池松壮亮、溝端淳平出演による『ダイブ‼』(08)として映画化もされている。
飛び込み競技で切磋琢磨する高校生ダイバーたちの成長を描く本作で、池松と同役である天才ダイバーの富士谷要一に扮した作間。飛び込みの英才教育を幼い頃から受けてきたという役柄にふさわしい鍛え上げられた腹筋をチラ見せしつつ、生活の全てをオリンピック出場のために捧げるストイックな男子高校生役をクールに演じきった。
スクリーンデビュー作『ひらいて』でみせた謎めいた佇まいと意外性の魅力
また、スクリーンデビュー作となった『ひらいて』(21)では、山田杏奈が演じるスクールカースト上位にいる女子高生の愛に片思いされる同級生のたとえに扮した作間。綿矢りさによる高校生の禁断の三角関係を描いた人気小説を原作とする本作において、物静かななかにも影を感じさせるたとえを謎めいた佇まいで表現。一転して内に秘めた想いを一気に爆発させたその激しさに圧倒されたが、どうやら意外な一面を持つキャラクターは “役者、作間龍斗”の得意とするところでもあるらしい。
作間はHiHi Jetsのメンバー5人で出演した「全力!クリーナーズ」で、ワケありのヤンキー、「おまめ」こと三津豆亮役にトライ。普段は見ることのないリーゼント姿が新鮮で、誰かれ構わずケンカをふっかけて回るオラオラっぷりにニヤニヤさせられた。
また、意外性という点では青春ラジオドラマ「オートリバース」は外せない。80年代を舞台とする本作は、小泉今日子の親衛隊となる少年2人の青春物語。引っ込み思案な転校生の橋本直に猪狩蒼弥、親衛隊でリーダー格となっていく高階良彦に作間が声をあてた。原作となった青春小説を手がけた高崎卓馬は主人公2人のイメージを膨らませるためにHiHi Jetsのメンバー写真を参考にしたと明かしているが、もともとは逆の役柄でキャスティングを考えていたものの、作間の芯の強さを感じさせる声を聴いて高階役に抜擢したのだという。
そして現在放送中の「ながたんと青と-いちかの料理帖-」では、没落寸前の京都の老舗料亭「桑乃木」の長女であるいち日(門脇)と政略結婚させられる周を好演。実は周は大阪の老舗ホテルを経営する実家に一矢報いようとする “野心を持つ男”。おとなしそうな見た目とは異なり辛辣な物言いが玉にキズだが、桑乃木を立て直すべく次々と奇策を立て、いち日と少しずつ心の距離を縮めていく様子にほっこり。回を追うごとに変わっていく周の人間的成長を作間は堂々とした演技で描きだした。