石橋静河、舞台「エヴァンゲリオン」に挑む覚悟「恐れずに新たな可能性に挑戦していきたい」
新宿の新たなランドマークとなる「東急歌舞伎町タワー」にオープンした「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』が、5月6日(土)より幕を開ける。これまで多くの人を魅了してきた「エヴァンゲリオン」を、新たなエンタテインメントとして舞台上に浮かびあがらせる意欲作だ。
使徒と呼ばれる敵の襲来により壊滅的な状況になった地球を舞台に、そこに生き残った人々と、“エヴァンゲリオン”に搭乗して使徒を殲滅する少年少女たちの姿を描く本作。使徒との戦いの裏にある真実を知る渡守ソウシ(窪田正孝)が贖罪と再生のため、かつての恋人である霧生イオリ(石橋静河)に接触し、世界に秘密を解き放とうとする。今回は、使徒との戦いに立ち向かう特務機関「メンシュ」で現場指揮官を務める女性、イオリ役を演じる石橋静河にインタビューを敢行。「エヴァンゲリオン」に挑む心境や、舞台の醍醐味を語ってもらった。
「『エヴァンゲリオン』を新たな形にして送り届ける。かなり勇気のいることだと思った」
舞台ならではの演出で、オリジナルのストーリーが展開する本作。原案、構成、演出、振付を、演劇やコンテンポラリーダンスの公演はもちろん、バレエ、オペラ、歌劇の演出、振付など、幅広く活躍している世界的振付家のシディ・ラルビ・シェルカウイが手がける。日本アニメ史のなかでも伝説的な作品である「エヴァンゲリオン」を題材にした舞台とあって、「これまで『エヴァ』を観て育ってこなかった」という石橋にとっても、「『大変なことになるだろうな』という予感があった」とオファー時の心境を振り返る。
「『エヴァ』を深く愛している方がたくさんいて、それくらいすごいパワーとカリスマ性を持った作品だということは知っていました。そんな作品を新たな形にして送り届けるというのは、かなり勇気のいることだなと思いました」とプレッシャーを感じつつも、「主演が窪田さんで、演出や振り付けはラルビさんが担うと聞き、2人の存在が背中を押してくれました」と吐露。「窪田さんとは初共演です。今回のお稽古場で初めてお会いしたんですが、これまでの作品を観ていても、誠実な方なんだろうなという印象を持っていて。メジャーな作品で活躍されつつ、いろいろなものにオープンな気持ちで接していらっしゃるのではないかと思っていました」と微笑み、「ラルビさんは、私がお芝居を始める前からずっと憧れていた方なんです」と告白する。
コンテンポラリーダンサーとしての活動を経て、2015年から女優業をスタートさせた石橋だが、ダンサー時代からシェルカウイの放つ世界観に惹かれていたという。「YouTubeにも、ラルビさんの映像がたくさん上がっているんですが、それをいつも観ていて『この人の世界観が好きだな』と思っていました。踊りには、コンテンポラリーダンス、バレエ、ヒップホップなどいろいろなジャンルがありますが、ラルビさんの生みだすものは、そういった壁がないように感じるんです。いろいろな価値観を飛び越えて、世界中のあらゆる国で作品づくりをしている方。ここまでシームレスに、ジャンル分けせずにものづくりをされている方って、なかなかいないのではないかと思っています。世界に対しても、とてもシームレスな見つめ方をされている」と唯一無二の演出家だと分析し、「ダンサーとしても『いつかお仕事をしてみたい』と思っていたラルビさんと、役者としてご一緒できるというのは、とても光栄でうれしいこと。ラルビさんのもと、恐れずに新たな可能性に挑戦していきたいです」と喜びをにじませる。