正義のロボットだけど意外とバイオレンス!?オプティマス“無双”で振り返る「トランスフォーマー」シリーズ

コラム

正義のロボットだけど意外とバイオレンス!?オプティマス“無双”で振り返る「トランスフォーマー」シリーズ

顔を剥ぎ、スパークを握り潰す残虐なスタイルの確立

第2弾『トランスフォーマー:リベンジ』(09)は、メガトロンの師にあたるザ・フォールンが登場。今作でのオプティマスは、ディセプティコンの脅威だけでなく、トランスフォーマー全体を危険視する政府関係者からも敵意を向けられるなど苦しい立場を強いられてしまう。そんな怒りが爆発したのか、前作で死亡したものの復活を果たしたメガトロンとその腹心でF-22戦闘機から変形するスタースクリーム、ヘリコプター型の大柄なグラインダーら3体を一人で相手にした森でのバトルは壮絶のひと言。メガトロンを「鉄クズ」「ガラクタ」と罵倒しながら鉄拳や蹴りを叩き込み、スタースクリームの右腕をブレードで切断したかと思えば、グラインダーの顔面を両腕に装備したフックで引き裂き、横たわる亡骸を足蹴にするなどおよそ正義のヒーローとは思えない?ワイルドでバイオレンスな見せ場を作っている。

『トランスフォーマー:リベンジ』における森林でのバトルが、その後の残虐スタイルの始まりだったかもしれない…
『トランスフォーマー:リベンジ』における森林でのバトルが、その後の残虐スタイルの始まりだったかもしれない…[c]Everett Collection/AFLO

クライマックスのザ・フォールン戦になるとバイオレンス度はさらに上昇する。元ディセプティコンで偵察機のブラックバードに変形するジェットファイアが自らの命を犠牲にしたことで、彼のパーツと合体してパワーアップしたオプティマス。さらなる無双ぶりを発揮し、キャノン砲を向けてきたメガトロンの腕を押さえつけると、銃口を逆にしてその顔半分を吹き飛ばしてしまう。続いて、ザ・フォールンの顔面も彼が所持していたロッドを奪って引き剝がしたあと、胴体を腕で突き破ってトランスフォーマーたちの心臓部にあたるスパークを抜き出し、そのまま握り潰してしまった…。オプティマスは戦いながら、「顔を剝いでやる!」「私の手で地に墜ちろ!」など凄まじいセリフを連発するが、日本語版で声を担当した玄田哲章の風格ある声で聞くと熱い名ゼリフに聞こえてくる。

ジェットファイアのパーツと合体してパワーアップ
ジェットファイアのパーツと合体してパワーアップ[c]Everett Collection/AFLO

メガトロンの頭部を脊髄ごと引き抜き、地を這うセンチネル・プライムへも容赦なく銃口を向ける

第3弾『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』(11)は、月で発見されたサイバトロンの宇宙船で仮死状態になっていた伝説の戦士センチネル・プライムが復活する物語。センチネルはかつて、オプティマスらが尊敬するオートボットの総司令官だったのだが、惑星サイバトロン復興のためメガトロンと組んで人類を奴隷化しようと画策する。

オプティマスらが尊敬するオートボットの総司令官だったセンチネル・プライムだが…
オプティマスらが尊敬するオートボットの総司令官だったセンチネル・プライムだが…[c]Everett Collection/AFLO

今作でもディセプティコンや政府との軋轢に翻弄されたオプティマス。クライマックスのシカゴ決戦では並み居るディセプティコンを蹴散らしたあと、単眼が特徴のワーム型の巨大マシーンを使役するショックウェーブの脇腹をパンチで抉り、「くたばるがいい!」と眼球を神経パーツごと引きちぎってとどめを刺している。


単眼が特徴のディセプティコンの戦士、ショックウェーブ
単眼が特徴のディセプティコンの戦士、ショックウェーブ[c]Everett Collection/AFLO

センチネル戦では右腕を失うなどピンチに陥るが、宿敵のメガトロンに救われることに。リーダーの座を奪われることが我慢ならないメガトロンが、センチネルに不意打ちを食らわせて主導権を我が物にしようとしたのだ。打算的な理由とは言え、メガトロンに対して友情が芽生える?と思った矢先、すかさずキャリバーアックスを相手の頭に突き刺すオプティマス。そのまま脊髄ごと頭部を引き抜いてしまう…。さらに、「裏切った理由をわかってほしい」と命乞いをするセンチネルに対しても容赦なく、無様に地面に這いつくばる彼を見下ろしながらキャノン砲をぶち込んでいる。敵に対して1ミリたりとも情けをかけないこの姿勢こそ、オプティマスの正義の流儀なのかもしれない。

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