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『宇宙人のあいつ』ではつかみどころのない土星人に…!いま改めてハマりたい、中村倫也の離れられない甘くて苦しい魅力

コラム

『宇宙人のあいつ』ではつかみどころのない土星人に…!いま改めてハマりたい、中村倫也の離れられない甘くて苦しい魅力

優しく、甘い声にも沼る…

中村が出演している名作は数多くあるが、個人的に撃ち抜かれてしまった作品を一つ挙げるとすると、実写映画『アラジン』(19)の日本語吹替えだ。中村はアラジンの声を担当している。

『アラジン』で有名なセリフといえば、ヒロインのジャスミンを魔法の絨毯でのデートに誘う時の「僕を信じろ」。ただ、今作の吹替えでは「僕を信じて」となっている。男らしさというよりも、感じられるのは優しさと癒し。いい声なのはもちろんなんだけれど、とにかく、甘い。そんな声で「僕を信じて」と言われて信じないはずがない。なんでも信じてしまう、危険だ。

そして中村が歌う「ホール・ニュー・ワールド」は言わずもがな絶品である。歌も上手いだなんてずるいにもほどがある。甘い、だけではなく、声だけだからこそ、改めて中村の演技力の幅も実感できる作品だ。

『宇宙人のあいつ』ではユーモアたっぷりなキャラクターに

絶妙に違和感を漂わせた演技で中村は土星人になりきっている
絶妙に違和感を漂わせた演技で中村は土星人になりきっている[c]映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

そんな中村の最新作が『宇宙人のあいつ』だ。真田家の四兄妹の次男、日出男。実は宇宙人で、23年もの間、家族を偽り続けてきた。地球を離れる日が近づいてくるなか、日出男は兄妹たちと共にやり残したことを成し遂げていく。

中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生が、真田家の四兄妹に扮する
中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀(バナナマン)、柄本時生が、真田家の四兄妹に扮する[c]映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

長男の夢二をバナナマンの日村勇紀、しっかり者の長女、想乃を伊藤沙莉、ちょっと頼りない三男の詩文を柄本時生が演じる個性的な兄妹は、両親を亡くし、ぎゃあぎゃあ言いつつもそろって食事を摂る。仲が良いからこそ、その別れは悲しいもの。コメディだけど、家族の愛も感じられる作品となっている。

中村演じる日出男はまあ、モテる役どころではあるが、宇宙人であるがゆえに地球人が当たり前にできることができず、それをコミカルな演技で魅せている。私たちが思い描くような“宇宙人”とは異なるけれど、「あいつ、なにか違う」を違和感が強くないギリギリのところで演じている。そんな中村の、作中でコロコロと変わっていく表情にも注目だ。

『宇宙人のあいつ』は公開中
『宇宙人のあいつ』は公開中[c]映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

飯塚健監督が「4年ほど前、倫也くんと沙莉ちゃんと交わした約束がある。オリジナルで、一緒に映画を作ろうと」とコメントしているように、中村倫也ありきで作られた本作でも、彼の魅力を味わえるはずだ。

文/ふくだりょうこ

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