高橋一生&飯豊まりえが語り合う、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で再確認した異形のバディ感
荒木飛呂彦の人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれたスピンオフ作品を実写ドラマ化した「岸辺露伴は動かない」。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(公開中)は、主人公の人気漫画家、岸辺露伴役の高橋一生、露伴の担当編集である泉京香役の飯豊まりえら主要キャストとドラマの制作陣が再集結し、荒木初のフルカラー読切で描かれた人気エピソードの映画化を果たした作品だ。
美の殿堂、ルーヴル美術館を舞台に、露伴の知られざる過去とも交わりながら、「この世で最も黒い絵」をめぐる世にも恐ろしい事件が展開していく本作。舞台をパリに移しても名バディぶりを見せてくれた露伴と京香。高橋、飯豊にフランスでの撮影エピソードや3年にわたり生きてきた「岸辺露伴」の世界についての想い、さらに今後の展開への楽しみを教えてもらった。
「露伴という役を通して見るルーヴル美術館はちょっと不思議」(高橋)
――新たなキャストも加わり、日本とフランスで行われた撮影で、特に印象に残っていることはありますか?
高橋「やっぱりルーヴル美術館じゃないでしょうか。2018年の『ルーヴル美術館展』でオフィシャルサポーターをやらせていただいた際に、ルーヴル美術館には足を運んでいますが、今回は露伴という役を通して見るルーヴル美術館なので、ちょっと不思議な経験でした。露伴の扮装で入っていくというのはおもしろい経験だと思います。自分として見るのと、役として入るのとでは響く音など、なにからなにまで全部違います。歴史ある場所なので、ろうそくの灯りを頼りに絵画作品を見ていた時代もきっとあったはず。露伴的な目線を通してそういった体験ができたのはとてもおもしろかったですし貴重でした」
飯豊「私もフランスでの撮影はとても印象に残っています。ドラマから同じスタッフさんと一緒に作ってきた作品ですが、フランスでは現地のスタッフさんも加わった撮影でした。でも、まるでこれまでもずっと一緒に撮影していたのではないかと思ってしまうほどの一体感があるいいチームでした。高橋さんと安藤(政信)さんがフランス語を流暢にお話しされていたこともすごく印象に残っています」
高橋「ハードルを上げないでいただけると…」
飯豊「もともとフランス語もお話しされていたのかなと思うほど…」
高橋「どんどんハードルを上げていきますね(笑)」
飯豊「初号試写にフランスのスタッフの方がいらっしゃったのですが、高橋さんのフランス語はとてもお上手だとおっしゃっていました」
高橋「そういう感想はとてもうれしいです」
飯豊「あと、私が印象に残っていることは、モナ・リザの前でのシーンです。あんなに大きな声でモナ・リザの前で話すという経験はなかなかできないと思うので、本当にすごく贅沢な時間でした」
高橋「あのシーンは、大きな声で話って正解だと思います。そういうシーンですから」
――クランクアップでは寒さに触れるコメントも飛び出していましたが。
高橋「最後のシーンの撮影時は特に寒かったです」
飯豊「あと、絶妙に不穏な天気でしたよね?」
高橋「映画のシーンにはぴったりな天気でした」
飯豊「曇り空に太陽が出ていて、とても幻想的でした。月みたいな太陽といいますか…あれは月だったのでしょうか?」
高橋「いいえ、あれは太陽です(笑)。月にしては光量が強すぎるでしょう?」
飯豊「でも直視できる感じがまるで月のようで…」
高橋「言われてみればそうかもしれませんね」
飯豊「ラストシーンにピッタリ、気持ち的には晴れやかな感じでした」
高橋「本当に晴れたのは、パリに到着して最初のシーンです。とてもいい天気だった記憶があります」
飯豊「鳩がバーッと飛び立つシーンも思い出に残っています。鳩を集めるところから様子を見ていたのですが、最初から最後までこだわりが詰まっています」