高橋一生&飯豊まりえが語り合う、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で再確認した異形のバディ感
「映像美と音楽の調和がとてもカッコよかった」(飯豊)
――今日の衣裳もとても素敵ですが、劇中での衣裳もすばらしかったです。オークション会場では少し正装した姿が見られますし、パリではお2人もまるで美術品のようでした。
高橋「ドラマの時から衣裳も細かいディティールまでちゃんとこだわって作ってくださっています。スタッフの皆さんが持ち寄ってくる“岸辺露伴像”のようなものがあり、映画になってもその信頼度は変わりません。僕たち俳優部が現地入りするずっと前から、日本とフランスのスタッフの方々とで綿密な打ち合わせを重ねた結果により、いままで通り、まるで日本で撮影しているかのようにできたのは、もう奇跡的としか言いようがない、そんな現場でした」
飯豊「衣裳はグレードアップしています。コートからオートクチュールで、とても贅沢だなと思いました。靴以外は全部手作りなのですが、露伴先生のコートもとてもかっこよかったです」
高橋「あのコートがあって本当に助かりました。とても暖かいんです。機能的なところもちゃんと裏打ちされているのは、ドラマの時から全く変わっていません。見た目の美しさはもちろん、機能面も充実していて動きやすいので、役を演じるうえでも重要な役割を果たしています」
飯豊「オークション会場では『もっとドレスっぽいの着てこようと思ったんですけど、取材だからやめたんですよね』というようなセリフがあるのですが、露伴先生には『思いとどまってくれて良かったよ』とツッコまれています」
――音楽も作品の世界観にすごくマッチしていてすばらしかったです。
飯豊「クラシックや日本的な音楽が混ざり合う感じもステキだし、映像美と音楽の調和がとてもカッコよかったです。過去パートのシーンでクラシックが流れるのですが、そこはもう鳥肌ものです」
高橋「音楽のタイトルもいいので、エンドロールにも注目してほしいです」
「いつでも露伴を演じる準備はできています」(高橋)
――ルーヴルでもしっかりと馴染んだ岸辺露伴。原作ありきの作品だとは思うのですが、次はどの場所に立つ露伴を見たいですか?
高橋「やっぱりヴェネチアでしょうか」
飯豊「私はフィレンツェです。グッチに行く露伴先生が見たいです」
――映像化するなかで、これだけクリエイティブな方たちが集まると「こんな露伴先生が見たい」という声も自然と出てきそうですよね。
高橋「とはいえ、やっぱり原作にあるものをまずはやりたいです」
飯豊「中国で秘宝を巡るみたいなものも想像しましたが、やっぱりまずは原作に出てきた場所に行けたらいいなと思います」
高橋「原作好きとして、また僕の個人的な考えとして、だんだん年齢的に露伴を演じることを許せなくなってくる気もしています。ですから理想としてはできるだけ早めに、いまある原作をやるというのはアリだと思っています。ヴェネチアかフィレンツェあたりまでは行ってみたい気持ちはあります。いつでも露伴を演じる準備はできています」
取材・文/タナカシノブ