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ホラー映画を“科学”で検証!心拍数モニタリングで見えた、“吊り橋効果”や男女の違いとは?

コラム

ホラー映画を“科学”で検証!心拍数モニタリングで見えた、“吊り橋効果”や男女の違いとは?

序盤から“イマジョ”の恐怖が襲いかかる…4人の心拍数はどうなった?

なにわ男子の西畑大吾が主演を務め、山本美月生駒里奈平岡祐太川添野愛らが共演した『忌怪島/きかいじま』。外界から閉ざされた“島”を舞台に、バーチャルリアリティ(VR)研究を行なうチーム「シンセカイ」のメンバーたちに次々と降りかかる不可解な死と、その島に伝わる怨霊“イマジョ”の恐怖を描いた、ミステリー要素もたっぷりのホラー映画だ。

“イマジョ”とはいったい何者だ…!?
“イマジョ”とはいったい何者だ…!?[c]2023「忌怪島/きかいじま」製作委員会

上映開始5分を前に、不安感を煽るシーンと共に不気味な“イマジョ”が姿を現す。最初に心拍計に変化が現れたのはCさんだ。上映前には80bpm前後だった彼女の心拍数は、“イマジョ”の登場シーンで一気に90bpmを超える。100bpmまで到達するかと見守っていたが、冒頭シーンが終わると落ち着きを取り戻す。しかしこの映画の上映時間は109分。恐怖シーンもまだまだ序の口だ。

次に興味深い心拍の上昇が見られたのは、冒頭の恐怖シーンにも動じることなく60bpm前後の非常に穏やかな心拍数を維持していたBさんだ。上映開始からちょうど1時間を過ぎたころ、予告編にも登場していた川添野愛演じる葵の入浴シーンが始まる。浴槽のなかから突然伸びてくるドス黒い手。その瞬間にBさんの心拍数は急激に上昇し、最大116bpmを叩きだした。

ずっとドキドキしっぱなしのAさんの心拍計
ずっとドキドキしっぱなしのAさんの心拍計

Aさんの心拍計も同じシーンで上昇傾向が見られた一方、CさんとDさんには目立った変化はない。この結果を見ると、男性よりも女性の方が急激なショックシーンへの耐性があるのかもしれない。ちなみにAさんの場合、はっきりとした恐怖シーン以外でもたびたび心拍数が上昇し、下降しを繰り返している。“島”の不気味な雰囲気に怯え、完全に没入しているのだろう。

映画はいよいよ終盤に差し掛かる。どんなシーンがあるか詳しく書くことはできないが、“現実”と“仮想現実”の世界を隔てる境界線が取り払われ、予想だにしない恐怖が連続するとだけ言っておこう。この後半に顕著な変化が現れたのは、CさんとDさんの女性2名だ。これまで安定していたDさんの心拍数もぐんぐんと上昇していき、一時最大109bpmを記録。Cさんの心拍数も、物語が佳境に向かうにつれて上下を繰り返しているのがわかる。


Cさんは、緊張感が高まるクライマックスで特に変化が大きかった
Cさんは、緊張感が高まるクライマックスで特に変化が大きかった

いずれのモニターも、平均的な心拍数を大きく上回るドキドキを感じていたことがわかる結果となったが、瞬発的な恐怖シーンに顕著に反応した男性2人と、映画の雰囲気に合わせてじわじわと反応していく女性2人。サンプルが少ないなかではあるが、男女で対照的な結果があらわれたことは非常に興味深いものがある。


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