怪物級の才能が集結した『怪物』黒川想矢&柊木陽太のフレッシュな演技が光る本編映像が解禁!
5月27日に開催された第76回カンヌ国際映画祭にて、坂元裕二が脚本賞を受賞、さらに作品自体も独立部門である「クィア・パルム賞」を受賞し計2冠を獲得した『怪物』(公開中)。このたび、是枝監督も大絶賛する子役2人の瑞々しい演技が印象に残る本編映像が到着した。
第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『万引き家族』(18)の是枝裕和が、『花束みたいな恋をした』(21)の坂元裕二、日本人初のアカデミー賞作曲賞を受賞した坂本龍一とタッグを組んだ本作。大きな湖のある郊外の町を舞台に、食い違う子どもたちの主張が大人や社会、メディアを巻き込む大事へと発展していく様子を描く。
今回解禁となったのは、黒川想矢と柊木陽太演じる物語の鍵を握る2人の少年が秘密基地を見つけるまでの姿を切り取った本編映像。道中に咲く花の名前を唱えながら歩く依里(柊木)に対し、「お母さんが、男の子は花の名前知らない方がモテるって」と言い放つ湊(黒川)。しかしそんな湊の発言を気にも留めず、依里は戸惑うことなく暗いトンネルの中に進んでいく。トンネルの手前で躊躇する湊に、余裕そうにうなり笛を鳴らす依里が「暗いの怖がる男はモテないよ」と告げると、湊はトンネルの中で待つ依里のもとへ駆け寄る。暗闇をスマホの小さなライトを頼りに進む2人が辿り着いたのは廃線跡。そこに横たわる廃車となった電車の車両は、少年たちにとって絶好の場所だった。そして手に入れた秘密基地の中で小学5年生らしく無邪気な姿で遊ぶ2人の姿が映しだされていく。
2人をオーディションで見出した是枝は、彼らの瑞々しい演技について「黒川くんは非常に繊細で、役柄への感情的なアプローチから入るタイプ。一方の柊木くんは、頭の中で写真を撮るようにして台詞を覚えるらしく、状況が変わっても同じようにお芝居ができる。全然違うタイプの2人でしたが、うまい組み合わせになりましたね」と、2人が演技に対し異なるアプローチ方法をとっていたことを明かした。さらに続けて「現場では、2人がお互いをどうとらえているのか、それが自然に出るような環境作りだけを考えました、2人が上手だったので」と若き才能に絶賛の言葉を寄せている。
安藤サクラ、永山瑛太を始めとする実力派キャストが一堂に会した本作。是枝も称賛する、黒川と柊木の瑞々しくも感情豊かな演技をぜひ劇場で見届けたい!
文/高木郁