宮沢りえが主演を務める石井裕也監督作品『月』悩みや不安がにじむ場面写真公開、監督や有識者からのコメントも|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
宮沢りえが主演を務める石井裕也監督作品『月』悩みや不安がにじむ場面写真公開、監督や有識者からのコメントも

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宮沢りえが主演を務める石井裕也監督作品『月』悩みや不安がにじむ場面写真公開、監督や有識者からのコメントも

辺見庸の小説「月」を原作に、脚本、監督に石井裕也、主演に宮沢りえという布陣で製作した映画『月』が10月13日(金)より公開決定。本作より場面写真が解禁し、石井監督に加え、いち早く作品を鑑賞した有識者からのコメントが到着した。

主演の宮沢ほか、オダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみらが共演する本作。原作は、実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸による小説。事件を起こした個人を裁くのではなく、事件を生みだした社会的背景と人間存在の深部に切り込まなければならないと感じたという著者は、語られたくない事実の内部に潜っている。『茜色に焼かれる』(21)、新作『愛にイナズマ』(10月27日公開)を手がけ、10代の頃から辺見の作品に魅せられてきたという石井監督が、原作を独自に再構成。また、本作は『新聞記者』(19)や『空白』(21)を手がけてきたスターサンズの故、河村光庸プロデューサーが最も挑戦したかった題材、日本社会に長らく根付く、労働や福祉、生活の根底に流れるシステムへの問いであり、複眼的に人間の尊厳を描く作品だという。

今回、主演の宮沢が写る場面写真が解禁に。まるでなにかを隠そうとするかのように生い茂る森に囲まれ、佇む洋子(宮沢)。その表情からは、様々な悩みや不安を抱えていることが読み取れる。

また、本作をいち早く鑑賞した有識者からコメントも到着。編集者、見城徹は「この社会に蔓延る『嘘と現実』、『善と悪』、『建前と本音』の判断を宙吊りにしたとてつもない映画だった」と絶賛、作家の高橋源一郎は「『月』は、あまりに強烈なテーマを扱っているので、もしかしたら観客は、そちらに視線を奪われるかもしれない。そうではない。もっとずっと繊細で、実はおぼろげなものが、そこにある。それは『生きる』ということなのかもしれない」と、いまの日本映画においての存在意義を表明した。また、クランクインの直前に亡くなった河村プロデューサーの遺志を受け継ぎ、本作を完成させた長井龍プロデューサーは「目の前の問題に蓋をするという行為が、社会の至る所に潜んでいるのではないか、という問いが本作には含まれている」と語った。


本作で描かれる、社会、個人が問題に対して“見て見ぬふり”をしてきたという現実とはどのようなものなのだろうか?本作をぜひ劇場で目撃したい。

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