ヤンキーとは無縁の高杉真宙。喧嘩っ早い「東リベ」千冬との共通点は「不器用でまっすぐなところ」
現在、大ヒット中の映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 」(前編「運命」後編「決戦」ともに公開中)で、今回からの新キャラクターである松野千冬役を熱演している高杉真宙。映画、ドラマ、バラエティと幅広く活躍する高杉が、本作で初めて本格的な不良役に挑戦した。普段は温厚な性格で知られる高杉が自らの殻を破り、英勉監督から再三言われたという「千冬は脳から“直出し”だから」というワードを体にしみ込ませていった過程とは?意外な千冬と自身の共通点についても語ってくれた。
原作でも絶大な人気を誇る「血ハロ」編は、なんといっても廃車場での一大アクションがメイン。映画後編となる「決戦」では、実に本編の3分の1を廃車場シーンが占めるが、同時に千冬と場地の出会いや絆もしっかりと描かれている。数か月に及んだ撮影の最序盤で、場地との出会のシーンや、激しいアクションをこなしたという高杉は「大変すぎて、記憶があまりないです」と笑う。意外にも思えるが「アクションは苦手」と言う高杉にとって、撮影前から行われていたアクション練習は苦労の連続だったそうだ。
「ひたすら『場地さん、早く来て~!』と願ってました(笑)」
「アクションはいっぱい練習させてもらいましたが、やっぱり難しいなと改めて思いました。しかも千冬は結構動けるキャラクターなので、飛んだり頭突きしたりっていう動きが多くて大変でしたね。ただ僕はどんなアクションをしている時でも、ひたすら場地さんを思って、場地さんへの想いを大切にしていたかな。アクションチームの皆さんもそれぞれのキャラクターをすごく考えてくださって、動きをつけてくれているのは間違いないんです。しかし、やっぱり自分の役のことを一番考えなくちゃいけないのは演じる本人であるべきだなと。ほかのキャストの方たちが、練習の時点から役を考えながらアクション練習しているのを見て『やっぱりアクションもお芝居だよな』と思いました」
特に本作のアクションは、泥臭い喧嘩そのもの。美しい殺陣や魅せるアクションとは異なり、各キャラクターの特性が色濃く出ているのが大きな特徴だ。「極端な話、ただ歩くだけという動きにもそのキャラクターの性格は落とし込まれる。それがアクションになると、よりキャラクター性は出てくるはずなんです。だから皆さんがアクションチームと話し合いながらアクションをつけているのを見て、すごいなと。話し合いを経てやったアクションのほうが、明らかにしっくりきていたんですよね。ただ僕にはそこまでの余裕がなかったんですが(苦笑)」
だからこそ場地への憧れや尊敬の想いを軸に、アクションを構築していったとも言う。「僕の撮影2日目に、団地の前でのアクションシーンを撮ったんですが、ひたすら『場地さん、早く助けに来て~!』と願ってました(笑)。殴られて蹴られて、傷メイクはどんどんひどくなるし…本当に記憶がありませんね。ただあのシーンで心から『場地さん、かっけ~!』と思えたのは大きかったです。僕自身が本当にそう思えたから、その後のシーンで自然とそのセリフが口から出るという感覚でした」