IMALU、オカモトコウキ、宇野維正が大団円をむかえた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を音楽で振り返る!「ジェームズ・ガンの選曲が絶妙」
「ジェームズ・ガンは膨大な引き出しを持っていて、そこから適した楽曲を引っ張りだしてくる」(宇野)
コウキ「監督が変わらなかったのもよかったですよね。やはり選曲が絶妙です。それほど爆ヒットしたわけではないけれど、いい曲を選んでくる。特に60~70年代のパワーポップ、R&Bなど。そういう選曲がメチャクチャ好きですね」
IMALU「ジェームズ・ガン監督は、『俺ってすごく音楽を知ってるんだぜ』みたいな感じじゃないんですよね。上から目線とかじゃなくて、少年時代から好きで聴いてきた音楽をみんなに伝えたいというか。人柄を身近に感じます」
宇野「あれだけ音楽に詳しいと『ちょっと教えてやろうか』みたいになりそうだけど、そういうこともなく。本当に詳しい人って、ひけらかさないってことですよね。膨大な引き出しを持っていて、そこから適した楽曲を引っ張りだしてくる。彼は現在56歳で、今回はBeastie Boysとかも使っていますけど、北米のカルチャー状況でいうとギリギリ、ロックがユースカルチャーを代表していた世代。いわば、最後のロック世代ですね。あと付け加えると、ロック好きだと、ハードなほう、ラウドなほう、シリアスなほうに行ってしまいがちだけど、彼の場合はそうならず、テイストがバブルガム・ポップ(60年代後半から70年代初頭にかけて流行した明るいサウンド)系のロックなんですよ」
コウキ「一歩間違えれば、ダサいとされそうなところ」
宇野「だからこその懐の深さなんです」
IMALU「『ガーディアンズ』のファンには、音楽から入った人も多いですよね」
宇野「そうそう、監督のなかで先に使いたい音楽が決めてあって、そこからストーリーを作っているそうだし、今回も音楽へのこだわりを強く感じました。やはり最後というのもあって、音楽でもやりたいことをやりきった、という感じですよね。エンドロールのBruce Springsteenなんて、『とにかく『Badlands』をかけたかったんだろうな』と想像します(笑)」
コウキ「Bruce Springsteenが流れてきて、僕もぶっ飛びました」
宇野「あの曲に歌われている“いまの世界がいかに荒涼としているか。でも、そこでなんとか生き抜かなければ”というメッセージは、完全に映画のストーリーとも重なっていますし、最後に観客に向けて“頑張っていこうぜ”とエールを送っているようでもあります。ほかの監督がポップミュージックを使うのとは全然違うレベルのことを、ジェームズ・ガンはやっているのだと思います」
IMALU「こうやって地球の音楽が広がっていくのも、いいですよね。ピーターから、だんだん宇宙へと!」
宇野「そう、地球のポップソングを宇宙が聴いている!」
取材・文/村上ひさし
■『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 オーサム・ミックス Vol. 3(オリジナル・サウンドトラック)』
国内盤CD発売中&プレイリスト公開中
公式サイト:https://www.universal-music.co.jp/guardians-of-the-galaxy/products/uich-1022/
レーベル:Hollywood Records
発売:ユニバーサル ミュージック合同会社 パートナー・レーベルズ