“悪魔祓い”に挑んだ神父たちの壮絶な戦い…衝撃の真実に圧倒される実話ホラーまとめ
実在したエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父による悪魔祓いを描いたラッセル・クロウ主演作『ヴァチカンのエクソシスト』(公開中)。本作はローマ教皇に仕え、2016年にこの世を去るまでに数万回の悪魔祓いを行ったと言われるアモルトの回顧録に基づく真実の物語だ。時は1987年7月、スペインのサン・セバスチャン修道院を舞台に、アモルト神父が最強の悪魔に憑依された少年とその家族を救おうとする。
本作のように実話に基づくホラー映画は少なくない。『悪魔の棲む家』(79)や『エクトプラズム 怨霊の棲む家』(09)など定番の“呪われた館”ものや、『エクソシスト』(73)の原作小説にヒントを与えた悪魔憑きを映画化した『エクソシスト/トゥルー・ストーリー』(00)。霊にレイプされた女性の体験記を映画化した『エンティティー 霊体』(82)のほか、近年は「死霊館」ユニバースが大ヒットを続けている。ホラー映画の人気サブジャンル、“実話ホラー”から印象的な5本をピックアップして紹介しよう。
信仰を見失った青年神父が師に憑いた悪魔との戦いに挑む『ザ・ライト エクソシストの真実』
『ヴァチカンのエクソシスト』はアモルト神父の悪魔祓いと並行し、その助手を務めた若き神父が成長する姿も描かれている。信仰を見失った青年神父の視点からエクソシストである師との日々を描いたのが『ザ・ライト エクソシストの真実』(11)だ。“異端のエクソシスト”ルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)のもとで悪魔祓いを学ぶ神学生マイケル(コリン・オドナヒュー)は、師に憑いた悪魔に戦いを挑む。憑依されたホプキンスの鬼気迫る怪演などホラーな見せ場だけでなく、リアルな悪魔祓いの模様やエクソシスト養成講座の授業風景、神父たちの暮らしを垣間見ることができるのは実話系ならでは。主人公マイケルのモデルであるゲイリー・トーマス神父は、本作のアドバイザーを務めた。
無神論者のNY市警と神の力を説く神父のバディが猟奇事件を捜査する『NY心霊捜査官』
警察官出身のエクソシスト、ラルフ・サーキの自伝的小説を映画化した『NY心霊捜査官』(14)も師弟ものの一本だ。優れた勘を持つNY市警のサーキ刑事(エリック・バナ)は、連鎖的に発生する猟奇事件に得体の知れない存在を感じ取り、メンドーサ神父(エドガー・ラミレス)に協力を依頼する。力で悪をねじ伏せてきた無神論者サーキと、彼に神の力を説くメンドーサ。異色コンビが闇の世界に挑む姿は、師弟というよりバディと呼ぶほうがしっくりくる。監督は『ドクター・ストレンジ』(16)や『ブラック・フォン』(21)のスコット・デリクソン。怖い見せ場はがっつり怖いが、刑事もののおもしろさもしっかり押さえた本作のストーリーは、原作のエピソードやエッセンスを再構成したオリジナル。サーチは頻繁に撮影現場を訪れ、おもに警官たちの行動や作戦面でアドバイスを行った。