“悪魔祓い”に挑んだ神父たちの壮絶な戦い…衝撃の真実に圧倒される実話ホラーまとめ
悪魔祓いの是非を裁判で問う『エミリー・ローズ』
悪魔祓いを受けた若い女性が命を落とし、殺人事件の裁判に発展した実話を映画化した『エミリー・ローズ』(05)。監督はのちに『NY心霊捜査官』を撮るデリクソンが務めている。1976年ドイツ、23歳の大学生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)が自宅で餓死した。彼女は悪魔憑きとして数年にわたってムーア神父(トム・ウィルキンソン)から悪魔祓いを受けていた。女性弁護士のエリン(ローラ・リニー)は出世を条件に過失致死傷罪に問われたムーアの弁護を引き受けるが、裁判で意外な真実が明かされる。映画は法廷劇だが、エミリーの幻覚や主観映像を交えた回想シーンなどで悪魔憑きがリアルに再現されている。証拠に基づく司法の場で悪魔憑きがどう裁かれるかに焦点を当てており、ジャンル的にはホラーから外れるが見応えある作品だ。
恐怖を実感できるのがホラー映画の魅力だとすれば、実際の出来事に基づく実話ホラーは最もピュアなホラー映画だと言える。肉体の変容や超常的パワーを発揮するなどケレンミある見せ場を盛り込みながら、アモルト神父が生前に映画化を許可した『ヴァチカンのエクソシスト』。
『グラディエーター』(00)、『ビューティフル・マインド』(01)などのクロウが悪魔との熾烈な戦いに翻弄される神父を熱演し、修道院にまつわるカトリック教会の忌まわしい記憶にも迫っていく。ローマ教皇役で出演する『続・荒野の用心棒』(66)などで知られるフランコ・ネロの威厳ある存在感も見逃せない。エクソシストの現場でいったいなにが起きていたのか?その衝撃の真実を劇場で目撃してほしい…。
文/神武団四郎
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