プロレスラー高橋ヒロムが絵本連載をスタート!主人公はまさかの“鼻毛”?執筆秘話を語る
新日本プロレス所属プロレスラーの高橋ヒロムがMOVIE WARKER PRESSにて連載「それいけ!ハナゲくん」を開始した。連載内容はなんと”絵本”!しかも主人公はハナゲ(鼻毛)くん!日々闘志むき出しで熱戦を繰り広げる男がなぜいま絵本なのか。よりによって鼻毛なのか。絵本に込めた想いとは?様々な疑問の回答となる本人からのメッセージをお届けする。
「もっと楽に"気にしすぎない"で、この世界と自由に戦ってほしい」
「気にしすぎだよ、人類!」
まずはじめに。
「もしもこの絵本が書籍化されるなんてことになったら、こんな文章の存在はこの世から葬り去っていただきたい」
これだけは強く!つよーーく言いたい。
是非、まず何も考えずに読んでください!
子ども達には本当に軽い気持ちで読んでもらいたい。こんな説明文で"気にされたら"困るので子ども達には見られないようにしていただきたい。まぁよく意味はわからないかもしれませんが…。この文章を読んでいる方々は物心がとっくについているであろう、いや…物心以上の別の何かがまとわりついているであろう大人たちだと勝手に思っています。そんな皆さんにも、できれば先に絵本を読んでからここに戻ってきて欲しいのです。そして私の想いを感じ取っていただけたなら、また絵本に戻り今度は深く深く考察し読んでいただけたら幸いです。真面目に伝えたいことを書いています。
この世界は、言っても見た目が重要で見た目で得する事が多いものです。しかし見た目が良い人でももちろん苦労はされています。そんな事はみんな知っていますし、そんな事を言いたいのではありません。
これは、すごく難しく人間の究極の部分でありながらも、そんなの当たり前だろという話でもあります。でもその当たり前ができないというか、意識して直せたりできようになることではないんです。与えられてしまったんですから。これを理解できれば世界から争いなんて無くなるんじゃないかと本気で考えています。何故人々は、他人の見た目や行動、言動などを気にしてしまうんですかね?人の生まれ持った、いやこれは神が仕組んだ感情だと私は思っています。"気になる"。この感情さえなければ世界は平和になること間違いなしでしょう。この絵本にサブタイトルをつけるなら「気になるという感情について」にしましょうか。
さて突然ですが、鼻毛を気にしたことはありますか?
私は2年半メキシコでルチャ・リブレの修行をしていました。メキシコではプロレスを「Lucha Libre(ルチャ・リブレ)」と呼び、それは"自由な戦い"を意味します!競争の激しい環境を過ごす中で、心から尊敬する選手がいました。名前は…あえて伏せません!私が本当にカッコいいと思った方を紹介します。
ルチャ・リブレ界の超スーパースター、ネグロ・カサス選手です。ネグロ・カサス選手はいつも鼻毛が出ていました。1本、2本のレベルではなく、まさに"ブゥアッ!"って効果音が聴こえるレベルで出ているのです。それがすごく潔くて自然で、なんの不快さもなくカッコよかったんです。この人、生きてるな〜って。そう感じた時に「あっ、俺も所詮は他人からの視線を気にしてしまう人間なんだな」と気がつき悔しくなったのを覚えています。
このプロレス界に入り、いろんな人と出会いました。最高なことも、話せば社会的に終わる人物が出て来てしまうほど最低なことも経験した結果、自分は良いレスラーである前にまず良い人間になろうと決意したのが10年前、23歳の時です。上で話したネグロ・カサス選手との出会いも23歳。そして良い人間、良い人間、と考えても生まれ持った性格、そして考え方はそんな簡単には変えられない…なんて自問自答しているうちにわかりました。わかったんです。すべては"気にしすぎ"てしまっているからだということに。その発見が自分を成長させたと同時に、もう手遅れでもあるという苦しみを生みました。
"気になる""気になる"と言っていたら、"気になる"は辞書にどう書いてあるか"気になって"しまったので調べました。
「心に引っかかること。考えまいとしていても、思い出して考えてしまうこと」
だそうです。
そっか…人間て"気になる"という感情があるからこそ、笑ったり、泣いたり、怒ったり、嬉しかったり、苦しかったり、楽しかったり、恋したりするんだね。
だから訂正します、"気になる"のはいいけど、"気にしすぎる"という行き過ぎた感情こそが足枷となるんだね。もっと楽に"気にしすぎない"で、この世界と自由に戦ってほしい、そう、ルチャ・リブレしてほしいという願いを込めて。
まとめ
高橋ヒロムは日々、人々は"気にしすぎている" んではないかと考えていた、それをソフトにわかりやすく伝えたかった。つまり高橋ヒロムの頭の中でこの"気になる"の表現方法として1番最初に出てきたのがたまたま「鼻毛」だった。そもそも、この「それいけ!ハナゲくん」という絵本はヒロムちゃんが小学4年生の頃に描いていたものなのです。ムービーウォーカーさんから絵本を描いてみないかとお誘いいただくまで「それいけ!ハナゲくん」の存在なんて思い出しもしなかったけれど、テーマを考えている時ふと頭に浮かんできた"気になる"という感情に、たまたまマッチし、たまたま生まれた「それいけ!ハナゲくん」を是非楽しんでください。いいですか?この文章にはなんの意味もないかもしれませんので、あくまで気にしすぎず。
高橋ヒロムを成長させたハナゲくんの物語。気になる「それいけ!ハナゲくん」第1回、本人による味わい深い絵と共にご堪能ください。
文/高橋ヒロム 構成・文/編集部
1989年12月4日生まれ、東京都八王子市出身。新日本プロレス所属プロレスラー。得意技にTIME BOMB、ダイナマイトプランジャーなどがある。2010年8月にデビュー。2017年1月4日東京ドーム大会でIWGPジュニア王座に初挑戦し勝利を収め、第76代チャンピオンとなる。その後も防衛や奪取を繰り返し、現在第93代王者として君臨している(2023年7月現在)。
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