コラム 2023/8/6 20:30

「響け！ユーフォニアム」“北宇治高校吹奏楽部”のこれまでの歩み

武田綾乃の小説シリーズを原作にした、京都アニメーション制作の「響け！ユーフォニアム」。その4年ぶりの新作となる中編アニメーション『特別編響け！ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(公開中)。本稿では、シリーズの簡単なおさらいしながら、主人公の黄前久美子(CV：黒沢ともよ)をはじめとした“北宇治高校吹奏楽部”のこれまでの歩みを一気に振り返っていこう。

困難を乗り越え全国大会へ！第1期・第2期では1年生の久美子たちの物語が展開

2015年4月期にテレビアニメの第1期が放送され、クオリティの高い演奏シーンと大所帯の部活動で起こる様々な出来事や登場人物の心理の丁寧な描写で話題を集めた「響け！ユーフォニアム」。その後、第1期の総集編の劇場公開を経てテレビアニメ第2期が放送。さらに第2期の総集編となる劇場版を経て、スピンオフ作品の『リズと青い鳥』(18)、完全新作となる『劇場版響け！ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』(19)が公開されてきた。

【写真を見る】犬猿の仲は最新作でも変わらず？大所帯の吹奏楽部では、日々トラブルが絶えない[c]武田綾乃・宝島社／『響け！』製作委員会

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アニメ第1期は、久美子が中学時代に挑んだ最後の吹奏楽コンクールでの出来事から始まる。全国大会出場の目標が果たせずに悔し涙を見せた同級生の高坂麗奈(声：安済知佳)に、うっかり心無い言葉を口にしてしまう久美子。その時に返された麗奈の言葉が忘れられないまま北宇治高校に進学した久美子は、クラスメイトの加藤葉月(声：朝井彩加)と川島緑輝(声:：豊田萌絵)に誘われて見学に訪れた吹奏楽部で麗奈と再会を果たす。

ためらいながらも吹奏楽部に入学した久美子。部には新たな顧問として滝昇(声：櫻井孝宏)が着任し、全国大会を目指すことが目標として掲げられる。部員たちは厳しい練習に耐えながら吹奏楽に打ち込んでいき、久美子と麗奈の間にあった溝も徐々に埋まっていく。そんななか、コンクール出場に向けた部内オーディションが行われ、麗奈は1年生ながらソロパートに指名される。それがきっかけで部内の雰囲気は険悪となり、部員全員の前で再オーディションが開かれることに。

一方で久美子は、コンクールが刻一刻と近付くなかで思うように演奏ができずに焦りを感じていき、ようやく中学時代の麗奈の悔しさを身をもって理解する。そして迎えた京都府吹奏楽コンクール。北宇治高校吹奏楽部は見事に金賞に輝き、強豪ひしめく関西大会への出場権を手にすることとなる。

続くテレビアニメ第2期では、久美子たちの入学前に起きた大量退部事件で吹奏楽部を辞めた、元フルート担当の傘木希美が部への復帰をめぐり、部内で新たなトラブルが巻き起こる。なんとか解決し、無事に関西大会を勝ち進み、目標だった全国大会出場を叶える北宇治高校吹奏楽部。ところが今度は副部長の田中あすか(声：寿美菜子)に退部の危機が。またしても大きな試練に直面した久美子たちは、様々な思いを胸に全国大会へと挑んでいく。

そして『劇場版響け！ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』で、久美子たちは2年生に進級。全国大会への出場を果たしたことで多くの新入生が吹奏楽部に入部するなか、3年生の加部友恵(声：田所あずさ)と共に新入生の指導にあたることになる久美子。しかし低音パートにやってきたのは問題ありげな4名で、部内ではまた新たな波乱が巻き起こる。

最新作となる特別編は、原作の人気エピソードをアニメ化！