堀未央奈&ゆりやんレトリィバァが初対談「もっと“ホラー好き”と発信していきたい!」
令和の時代の新たなホラー映画作家を発掘・育成する目的で2021年にスタートした「日本ホラー映画大賞」。本年発表された「第2回日本ホラー映画大賞」では、最新作『ミンナのウタ』(8月11日公開)も控える清水崇監督を選考委員長に、FROGMAN、堀未央奈、小出祐介、宇野維正、ゆりやんレトリィバァという、各界のホラーマニアな選考委員計6名が、一次選考を通過した全作品を隅々まで鑑賞。長時間に及んだ選考会の末に、大賞などの受賞作を決定した。
第1回の大賞受賞作となった下津優太監督の『みなに幸あれ』は、この賞の選考委員長を務める清水崇監督のプロデュースのもとで長編リメイク版が制作され、先日プチョン国際ファンタスティック映画祭でメリエス国際映画祭連盟(MIFF)アジアンワード・ベストアジアフィルム(最優秀アジア映画賞)を受賞。2024年に予定されている劇場公開に向け、順風満帆のスタートを切った。
現在EJアニメシアター新宿では、受賞作の上映会が8月3日(木)まで連日開催されている。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、第1回に引き続き選考委員を務めた女優の堀未央奈と、第2回から選考委員に加わったゆりやんレトリィバァに直撃取材を敢行。大のホラー映画好きを公言している2人がどのような視点で“ホラー”をとらえているのか、対談形式で語ってもらった。
「無邪気だからこそ撮れる映像があるんだと感じました」(ゆりやん)
――まずは選考委員として参加された感想からお聞かせください。
堀「選考会の時に、ゆりやんさんと好きな作品が似ていたことがめちゃくちゃ嬉しかったです。ゆりやんさんは初めての選考委員いかがでしたか?」
ゆりやん「選考している時には監督の名前と作品しか分からなかったので、授賞式で直接お会いできたのは嬉しかったです。私がプレゼンターを務めた審査員特別賞の川上颯太監督はとてもおもしろい方で、あんなに怖い作品を作ったのにこんなに無邪気な人なんだと驚きました」
堀「川上監督はまだ19歳とは思えないほどコメントもしっかりしていて、期待値の高い監督さんでしたね」
ゆりやん「選考会の時に皆さんが『斬新だった』とか『経験を重ねた監督にはこういうのは撮れない』と言っていたのを思い出して、無邪気だからこそ撮れる映像があるんだなと感じましたね」
――お2人よりも若い世代の監督さんたちの作品が多くありました。ご覧になってみていかがでしたか?
ゆりやん「どの作品も怖がらせ方がそれぞれ異なっていたのでとても楽しかったです!でも家で夜に1人で観るのは怖かったので、なるべく明るい時間に観るようにしていました(笑)」
堀「私も怖かったです!」
ゆりやん「堀さんの怖がり方は“怯えてる”っていうよりも“おもしろがってる”感じが(笑)。深夜に作品ご覧になったって…」
堀「それはたまたまその時間帯になってしまっただけです(笑)。でもどうせ観るならムードがあった方がいいかなと、勇気を出しました。本当は嫌ですよ、絶対“出る”じゃないですか」
ゆりやん「怖い怖い…」
堀「若い監督たちは、いま流行っているものをダイレクトに享受してきた世代だと思うので、カットや編集の仕方もテンポの良いものが多くて、いまっぽさを感じました。昔ながらのホラー映画の良さもあるけど、こういう新しいかたちの作品が増えたのはとてもいいことだと思います」
ゆりやん「私は映像を作ったことがないので分からない部分も多いのですが、自分がネタを作る時に“おもしろいものを作る!”と考えるより、自分が言いたいことや解消したい気持ちから作ることがよくあって。だからアニメ部門賞を受賞された『学校が嫌いだ』の奥田悠介監督にはすごく共感しました。悔しさや見返してやりたいという思いを映像でぶつけられていて、これがきっかけで新たな気持ちで前に進んでいってほしいなと思いました」
堀「私は第1回の時には、化け物やキャッチーなキャラクターが欲しいと言っていたのですが、あれから少々趣味趣向が変わりまして…。最近は人間の怖さを描く作品に着目していたので、そのタイプの作品が今回多かったのはとても楽しかったです。特に『FAAAWWW!!!』は笑うに笑えない不気味さがあって、いまのマイブームとすごく合致していました。あの作品はゆりやんさんも推していましたよね」
ゆりやん「ですよね〜」