まだまだ暑い夏はホラーで納涼!恐怖もワクワク感もある“お化け屋敷”映画まとめ
『死霊館』以前にジェームズ・ワンが手掛けたお化け屋敷映画『インシディアス』
スリラー&ホラーからアクション、ヒーローエンタテインメントまで大ヒット作を連発しているジェームズ・ワン。彼のお化け屋敷映画といえば『死霊館』(13)が有名だが、そのプロトタイプが『インシディアス』(10)だ。ランバート家が越して来た古びた家で怪奇現象が頻発。そんななか、長男が原因不明の昏睡状態に陥る。霊能者によると、彼は幽体離脱しもう一つの世界に迷い込んでいるという。本作のお化け屋敷も平凡な一軒家。夫ジョシュ(パトリック・ウィルソン)の仕事中、妻レネ(ローズ・バーン)は不気味な声や影、気配に悩まされる。その正体はさまよう死霊や生者の肉体を求める悪魔。彼らが家の中を徘徊する様は、お化け屋敷そのものだ。
ワンは最初に観たホラー映画だという『ポルターガイスト』の大ファンで、家族構成や異界から子どもを救う展開などその影響を認めている。また、研究者や霊能者の設定が「死霊館」シリーズのエドとロレインのウォーレン夫妻を思わせるほか、主演がのちにエドを演じるパトリック・ウィルソン、勘の鋭いジョシュの母の名がロレインであるなど共通点が多い。本作はシリーズ化され、ワンが監督した後日談『インシディアス 第2章』(13)ほか計4本が製作された。
『グーニーズ』にも通じる3Dアニメーション映画『モンスター・ハウス』
スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスの師弟コンビが製作総指揮を務めた長編3Dアニメーション『モンスター・ハウス』(06)。不気味な老人の家が、人を飲み込むのを目撃した好奇心旺盛な少年DJ(声:ミッチェル・ムッソ/日本語吹替版:高山みなみ)は、悪友チャウダー(声:サム・ラーナー/日本語吹替版:宮里駿)、女子校生ジェニー(声:スペンサー・ロック/日本語吹替版:石原さとみ)と共に家の謎に迫る。
本作に登場するのは、郊外の住宅地に建つ築45年の一軒家。見た目は古びた住宅だが、人が敷地に侵入すると庭の木や芝生で絡め取り、大きく開いた口のようなドアに投げ入れ飲み込んでしまう。文字通り怪物のような家で、クライマックスでは移動しながら暴れだすスペクタクルを展開する。
12歳のダメダメコンビと上から目線の優等生がチームを結成し、大冒険をする様はお化け屋敷版『グーニーズ』(85)。次から次に仕掛けを繰りだすサービス精神はキッズアニメの枠を超えた仕上がりだ。監督はゼメキスの目に留まり本作でデビューしたギル・キーナンで、その後『ポルターガイスト』のリメイク版の監督を任された。
なにが飛び出してくるかわからないドキドキ感と、見知らぬ場所に足を踏み入れる冒険心がお化け屋敷映画の魅力。一度でも中に入ってしまうと、容易には外の世界に戻って来られない…。そんなお化け屋敷の醍醐味をたっぷり味わってほしい。
文/神武団四郎