『Gメン』「東京リベンジャーズ」…傷だらけになっても仲間を想うひたむきさが胸を打つ“ヤンキーモノ”

コラム

『Gメン』「東京リベンジャーズ」…傷だらけになっても仲間を想うひたむきさが胸を打つ“ヤンキーモノ”

“彼女できる率120%”というウワサのモテモテ男子校に転校してきた高校1年生男子が、ヤンキーとオタクぞろいの最底辺クラスメイトたちと“初カノゲット”に向けて突っ走る爆笑青春ムービー『Gメン』(8月25日公開)。原作は「ナンバMG5」のドラマ化も記憶に新しい、小沢としおの同名コミック。主人公の門松勝太役の岸優太を始め、竜星涼、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。と個性豊かな5人が、誰1人高校生には見えない、だけど原作のイメージにぴったりの愛すべきキャラクターたちをはじけた演技で体現している。

ヤンキーや不良ではない生徒たちがメインなのも本作の特徴
ヤンキーや不良ではない生徒たちがメインなのも本作の特徴[c]2023「Gメン」製作委員会 [c]小沢としお(秋田書店)2015

舞台となる“私立武華男子高校”は、かつては名の知れたヤンキー校だったが、周囲に女子高が新設されるたびに、入学者希望者が増え、偏差値もアップ。成績順にA組からG組までクラスが分かれ、校舎も隔離されたG組には問題児ばかりが集まっているという設定だ。ヤンキー集団が、進学校の一部のみに在籍しているわけだが、そのことを知らずに転校してきた主人公、勝太も、見かけはごく普通の冴えない(?)高校生。ただ、女の子と仲良くなって、楽しい高校生活を送りたいだけなのに、意外にもケンカがめちゃくちゃ強いせいで、G組の仲間たちとともに、様々なトラブルに巻き込まれていく。

2年の薫(右)は伝説の不良グループ「Gメン」のメンバーで空手の達人
2年の薫(右)は伝説の不良グループ「Gメン」のメンバーで空手の達人[c]2023「Gメン」製作委員会 [c]小沢としお(秋田書店)2015

このたび、新たなヤンキー映画の仲間入りをはたした『Gメン』だが、ヤンキー(不良)をテーマにした作品は昔から現在にいたるまで根強い人気がある。最近では、続編が2部作で公開された「東京リベンジャーズ」シリーズや、実在の不良を主人公にした11月公開の『OUT』(11月17日公開)などがあり、ヤンキー作品の勢いはまだまだとどまるところを知らない。そこで、本コラムでは、人気ヤンキー漫画を実写映像化した作品を振り返りつつ、ヤンキーものとしての魅力にあふれた『Gメン』の見どころを紹介していきたい。

ヤンキーモノにSF要素を加えて大ヒット『東京リベンジャーズ』

2017~2022年まで「週刊少年マガジン」にて連載された、和久井健の「東京卍リベンジャーズ」が原作。2021年に『東京リベンジャーズ』のタイトルで実写映画化され、2023年4月に『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、同年6月に後編の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』が公開された。3本すべての監督を務めたのは、「賭ケグルイ」シリーズの英勉。北村匠海が演じる負け犬フリーターの主人公タケミチが、ヤンキー高校生だった10年前にタイムリープし、仲間を救うために、なんとかして過去を変えようと奮闘する。

ヘタレな主人公の成長、仲間たちとの熱い絆といったヤンキーもの王道の要素に、トリッキーなSF要素をかけ合わせたところが本作の大きな特徴。タイムリープの回数を重ね、運命が次々に変わるなか、タケミチが暴走族集団“東京卍會”で成り上がっていくさまを楽しむという、どこかRPGっぽい感覚も現代的だ。金髪の美形で、カリスマ性のある伝説の総長マイキー(吉沢亮)と、男気にあふれるドラケン(山田裕貴)との強い信頼で結ばれたバディ感に心奪われるファンも続出した。

“ツッパリ”たちのドタバタコメディ「今日から俺は!!」

千葉の田舎町を舞台に、金髪の三橋(賀来賢人)と、トンガリ頭の伊藤(伊藤健太郎)のツッパリコンビが数々の騒動を繰り広げる青春不良コメディ。1988~1990年まで「増刊少年サンデー」に、その後、1990~1997年まで「週刊少年サンデー」に連載された西森博之の原作コミックを、「銀魂」シリーズの福田雄一が脚本&監督を手がけて実写化。2018年のテレビドラマ、2020年公開の『今日から俺は!!劇場版』ともに社会現象になるほどのメガヒットを記録した。

実写ドラマの時代設定は、原作の連載時期より少しさかのぼった1980年代前半に変更。まだ、ヤンキーよりも、“ツッパリ”という呼び名がメジャーだった時代である。当時はツッパリに硬派でかっこいいイメージを抱く者も多く、本作の主人公、三橋と伊藤は、ともに転校を機に髪型を変え、憧れのツッパリデビューをはたす。特異な格好にこだわるのもツッパリならではのプライドで、賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、磯村勇斗といったキャストたちが、制服を改造した短ラン、長ラン、ロング丈のプリーツスカート、ペタンコにつぶした学生カバン、聖子ちゃんカット、どぎついメイクなど、ザ、80年代ファッションやヘアスタイルで登場するのも見どころ。



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