JO1・白岩瑠姫が明かす、初主演作との“運命的”な出会い「いつも思っていたことが、台詞になっている」
「過去があったからこそ、出会いも経験もあって、いまがあるから」
タイトルにちなみ、「夜が明けたら」――朝焼けの思い出を聞いた時にも、当時見たある景色が思い浮かんだという。
「地方でのライブの時、前のグループの時は夜行バスで、当日の朝に現地に着いて、その足で会場に向かって、ライブをやっていたんです。いま、ふいに“朝焼け”って言葉を聞いて、その時に見た景色を思い出しました。きつかったけど、大事な経験だったなって思います。いまは当時よりもずっと忙しいけど、あの経験があったからこそ、“ありがたいことだな”と思えます」。
過去と現在は地続き。そう語る白岩に、「過去の自分を褒めてあげたいか」と尋ねると、イエスとは言わず、苦笑いした。「苦しい時間ではあったから。戻りたいかって言われたら…ちょっと難しい(笑)。でも、決して無駄ではなかったなって思います。過去があったからこそ、出会いも経験もあって、いまがあるから」。
「少女漫画を読むことも、観る方をキュンとさせることも、恥ずかしいことでもなんでもないと思う」
青磁の台詞を、改めて聞くようなインタビュー。嘘のなさに驚くと、白岩自身も同じように感じていた。
「原作を読み終えた日、『こんなにも、主人公が僕なことあります?』って、(事務所の)社長に連絡したくらい。運命だったんですかね」。
もう一つ、演技に活きた“経験”があると白岩。それは、少女漫画を読んで培った“キュンとするイズム”だ。
「高校の時、少女漫画が好きでよく読んでいたのですが、少女漫画を読むと演技の勉強になると思いました」。青春ラブストーリーはひと通り網羅。「(よどみなく)『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』、『オオカミ少女と黒王子』、『アオハライド』、『近キョリ恋愛』…公開されたら必ず観に行っていました。僕がいま、現役の高校生だったら、絶対に『夜きみ』を観に行っていると思います」。
そして、「その時感じたものが、今回の映画にも繋がっていると思う」と続ける。
「自転車で茜と二人乗りをするところで、青磁が茜の手を自分の腰に持っていくシーンがあるんですけど、もともと台本にはなかったんです。でも、『こうやった方がときめくんじゃないかな?』と、アイデアが出てきました。少女漫画を読むことも、観る方をキュンとさせることも、僕は恥ずかしいことでもなんでもないと思っています」。
「僕が思っているよりも、感情がちゃんと出ているんだと最近知った」
自身の意見を出すまでに成長した、初めての映画作り。そのおもしろさについては、こう話す。
「普段は11人で仕事をすることが多いので、1人で撮影に行くことがまず新鮮でした。毎日が新しいことだらけで、学べることばかりで、全てが楽しかった。もしまた機会があれば、次はもっと成長した姿で頑張りたいです。演技に対する見方、考え方を変えてくれた、いろんなことを教わった作品でした」。
他者から見た自分像と、自身が思う自分像は異なる、という気付きも与えてくれる本作。自身について「感情が出にくいタイプ」と分析する白岩だが、取材時の彼は、好きなことを話す時には大きな瞳がきらきらと輝き、困った時には“困った”と、まるで顔に書いてあるかのようだ。そう伝えると、ほほえましいエピソードを明かしてくれた。
「そう!人から見ると、意外と出ているらしい(笑)。例えばメンバーが誕生日を祝ってくれた時も、すごくうれしい、でも恥ずかしい。『このサプライズにうまく喜べてるかな?』って客観的に見ている自分は確かにいるんです。でもメンバーからすれば、僕の声がワントーン上がるだけで、喜んでるってわかるみたいで。僕が思っているよりも、感情がちゃんと出ているんだなあと最近知りました」。