JO1・白岩瑠姫が明かす、初主演作との“運命的”な出会い「いつも思っていたことが、台詞になっている」

インタビュー

JO1・白岩瑠姫が明かす、初主演作との“運命的”な出会い「いつも思っていたことが、台詞になっている」

「生きているうちに、できるだけ知識を増やしたい、知らないことを減らしたい」

こうした愛すべき白岩の人間味は、彼にとってのヒーローを聞いた時にも。挙げてくれたのは海外ドラマ「プリズン・ブレイク」の主人公マイケル・スコフィールド。「『プリズン・ブレイク』がとても好きだから」というのが理由だが、なぜいま、同作を、そして彼の名を挙げたのかについては、誰もが頷く理由があった。

「世界的に有名な映画を観たくなる時があるんです。『タイタニック』も大好き。大きな世界を観ると、『こんなことで俺、悩んでたんだ』って、前向きになれる。僕よりも大変な状況にいる人、世界規模で戦っている人を見ると、『こんなことでめげてちゃいけないな』って背中を押されるし、自信になるんです」。

白岩瑠姫が好きな映画は?
白岩瑠姫が好きな映画は?撮影/河内彩

最近、映画をよく観るようになったという白岩。理由の一つは、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』を経験したから。そして、もう一つ。

「生きているうちに、できるだけ知識を増やしたいというか、知らないことを減らしたいと思うようになって。それで、マーベルシリーズを1作も観たことがなかったから、観始めたんです。やっぱり知識が増えると、話せることも、話せる人も増えるし、幅が広がる。いっぱい映画も観て、いっぱい勉強して、知識を増やすべきだなと思っています」。

映画鑑賞は、食後に自宅でまったり派。実は映画館でポップコーンを食べた経験もないのだという。それゆえ鑑賞時には、“映画セット”と呼ぶちょっとしたこだわりがある。

「そんな大それたことではないんですけど(笑)。自分の好きなスイーツとか飲み物を宅配で頼んで、つまみながら観るんです。最近は『スパイダーマン』を1から『ホームカミング』までばーっと観たんですけど…(やや恥ずかしそうに)タピオカを飲みながら。いや、タピオカが特別好きとかじゃなくて、その日はタピオカの気分だっただけです(笑)」。

「自分の存在をちゃんと尊重して、自信を持ってほしい」

最後に、いまを生きるすべての人に向けた、本作のメッセージについて。言いたいことをなかなか口にできず、他者の顔色をうかがってしまう茜のような人々に対して、青磁を演じた白岩だからこそ伝えられる言葉がある。

「茜みたいに、言いたいことが言えなかったり、空気を読んで周りに合わせてしまったり…それは、今の世の中全体がそうじゃないかなって僕は感じています。だからといって、みんながみんな青磁みたいに生きろっていうわけではないです。だけど、『きついことや辛いことから逃げるのがダメ』みたいな風潮について、僕はそう思わない。一度きりしかない人生で、そこまで辛い思いをして、我慢をするくらいなら、いっぱい別の道があると思う。そういう気付きや勇気が少しでも伝わればいいなと思いながら演じました」。

青磁に似たような考え方で親近感を抱えるという
青磁に似たような考え方で親近感を抱えるという[c]2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会


そして、白岩瑠姫としてもメッセージを寄せた。

「きついことや、逃げたくなるほどしんどいことがあった時は、無理をしないでほしい。周りの人ももちろん大事だけど、まずは自分を一番大事に思ってあげてほしいです。誰にも、代わりはいないじゃないですか。僕も、僕に代わる人はいないと思うし、僕が茜になれるわけでもない。だからみんな、自分の存在をちゃんと尊重して、自信を持ってほしいです」。

白岩が経験してきたこと、そのなかで感じ培ってきたもの――すべてを込めた初主演作となった。

取材・文/新亜希子

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