「最初の10分で否応なく心をつかまれた」作家・漫画家ら“ミステリーの匠”たちが「名探偵ポアロ」最新作を高く評価する理由とは?
ミステリーの匠たちが寄せたコメント全文
●石田衣良(作家)
「亡くなった娘の魂を呼びだすハロウィンの夜の降霊会を襲う連続殺人! 閉ざされた嵐の館で、恐ろしくも贅沢に凝縮された本格推理劇が展開する。クセ者揃いの俳優の演技合戦は火花が飛ぶほど。ポアロは殺人犯だけでなく、亡霊まで裁けるのか?」
●今村昌弘(ミステリー作家)
「これまでのシリーズ作品とはまったく異なるホラーテイストの世界観に、最初の10分で否応なく心をつかまれた。息をつく間もなく襲いかかる不可解な謎が、最後の最後、瞬く間に解き明かされる様はまさに亡霊が祓われるかのようで圧巻。今回のポアロは多く戸惑い、弱く、だからこそ魅力がある。」
●三部けい(漫画家)
「驚かされました!シリーズ過去作をイメージして観賞すると裏切られます。もちろん良い意味で。次々に起きる不可解な出来事を、ポアロと一緒に体験している様な感覚にさせられる、とても魅惑的な作品です。加えて、揺るぎないケネス・ブラナーの演技、ロケーションの美しさ。過去作を観ていない方にも自信を持ってお勧め出来ます!」
●雫井脩介(作家)
「次々と繰り出される怪奇的な謎は、ポアロの灰色の脳細胞をも幻惑し、観る者を迷宮に閉じこめる。その体感はもちろん怖い。しかし同時に、フルコースの料理が並ぶ晩餐にも似た贅沢さを伴っている。検索すればだいたいのことが分かる今の世において、ある種の妖しさや禍々しさは姿を消してしまったが、我々の本能はどこかでそれを欲しているのかもしれないと思った。」
構成・文/神武団四郎
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