宮世琉弥が語る、エンタメからもらった勇気と“宮城から世界へ”羽ばたく信念
『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(公開中)でリーダー格の“レオ”ことレオナルド役の日本語吹替版声優を務めた宮世琉弥。「初めての声優挑戦ということもあり、役に決まった時にはプレッシャーがすごく大きかったです。同時に制作に携わる方々の期待に応えたいという気持ちが強かったですし、なにより『ミュータント・タートルズ』の往年のファンの方々にも認めてもらわなきゃいけない。あらゆる面から緊張とプレッシャーを感じながら役に挑みました」と、強い使命感を持ってこの大役に挑んだことを明かす。
「声優さんはいつもどういう感じでやっているのか、なにもわからない状態から入りましたし、普段自分がやっている実写でのお芝居とは台本の形式も異なっている。そんな時、以前『村井の恋』や『君の花になる』でご一緒した梶裕貴さんからいただいたアドバイスのおかげで、なんとかがんばることができました。アフレコ収録は数日かかったのですが、やっていくうちに少しずつコツを掴んでいき、自分らしさを出すこともできたり。とても勉強になる経験でした」。
「いつもどこか俯瞰して見てしまうところは、レオとよく似ている」
1984年に誕生したアメリカンコミック「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」を皮切りに、アニメやドラマ、実写映画からゲームやファッションに至るまで、世界的なポップカルチャーアイコンとして愛されてきた「ミュータント・タートルズ」。その劇場版アニメーションの最新作となる本作では、ニューヨークの人々から愛され受け入れられたいと願ったタートルズたちが、謎の犯罪組織との戦いに繰り出す姿がグルーヴ感あふれる音楽に乗せて描かれていく。
宮世と「タートルズ」の出会いは、マイケル・ベイが製作を務めた実写版映画シリーズだったという。「すごく小さい頃にアニメ版も観たことがあったと記憶しているんですが、内容やキャラクターをほとんど覚えていなくて…。それでも小学校の高学年か中学生の頃に、(2014年に製作された)実写版の『ミュータント・タートルズ』を映画館で観て、ほかのヒーローものの作品にないようなくだけた部分や、会話のなかに組み込まれた現実に近い要素がおもしろいなと感じ、たちまちファンになりました」と振り返る。
人間を“危険な存在”と教え込まれ、ニューヨークの下水道で暮らすカメのミュータント4人組のタートルズ。レオはその“自称”リーダーであり、宮世は自身との共通点を感じながら演じていたという。「レオは子どもらしい部分がありつつも、ちゃんとしなきゃいけないと考えている真面目な一面があり、4人でいる時はほかの3人がふざけているのを俯瞰して見ているんです。僕も同世代の人たちといると、いつもどこか俯瞰して見てしまうことが多くて、そういうところはよく似ているなと思っていました」。
現在19歳の宮世も、タートルズと同じ“ティーンエイジャー”。劇中でタートルズは普通の人間たちと同じ暮らしをして「周囲から認められたい」という悩みを抱え、その目標に向かって悪の組織に立ち向かっていくのだが、宮世ならばこの悩みに直面した時どういう行動を取るのだろうか?返ってきたのは、「全員から認められるというのはとても難しいこと。だからこそ、あえて全員から認められようとしない方がいいのかもしれません」という、レオらしい冷静で大人びた答えだ。
「認められるという結果よりも、自分のやりたいことをやってその筋道が通っていることが一番大事だと思います。あれもこれもとやってしまうと、筋も通らなくなってどんどん矛盾していってしまう。自分のやりたいことをしっかりと持って、それに対して向かっていけば、自ずと周りの人たちはついてきてくれると思います。かえって欲張ってしまうと変なプライドが出て偽ってしまったり、考えなくてもいいことまで考えてしまう。だから僕は、マネージャーさんや両親、そしてファンの皆さんに認められることを最優先に考えています」。