LiLiCoが『北極百貨店のコンシェルジュさん』で感じた”コンシェルジュ”冥利。夫への驚きの贈りものエピソードとは?
「コンシェルジュという仕事は、“おもてなし”以上に“おもいやり”が大事」
――ケナガマンモス役の津田健次郎さんをはじめ豪華な声優陣が、一癖も二癖もある“V.I.A.(=Very Important Animals、絶滅危惧種の動物)”のお客様を演じられていましたね。そのなかでもLiLiCoさんが特に印象に残っているのはキャラクターを教えてください。
「キャラクターとしてはクジャクが大好きで(笑)。売り場で求愛行動を始めようすると、『店内での求愛行動(=羽をひろげる)はほかのお客様のご迷惑です!』って秋乃に注意されるじゃないですか。でもそれが結果的に役に立つことになる。それもまた個性を尊重する本作ならではですよね。クジャクの声を務められていた七海ひろきさんにすっかり惚れてしまいまして、自分のラジオにもゲストとして来てもらいました。
エンドロールを見た時には、『本当に豪華な声優さんたちばかりだったんだな…』と気付かされて、皆さん本当に上手だと思いました。津田さんはいま一番ホットな声優さんの一人ですし、新人からベテランまで幅広い方々が揃っているので、アニメ好きの方は特に楽しんでいただけると思います。板津監督には『なんでオーディションに私を呼んでくれなかったんですか?』って言いましたが、たぶん私に当てはまりそうなキャラクターはここにはなかったかな(笑)」
――もしLiLiCoさんが“V.I.A.”になって北極百貨店のお客様になるなら、どんな動物になりたいですか?
「そうですね〜。私はフラミンゴが大好きですし、数年前からハリネズミにもハマっているので、フラミンゴの背中に乗ったハリネズミですかね。しゃべる時は必ずメロディに乗せて歌って表現していて、たぶんメスじゃなくてオスな気がします(笑)。それで子どもたちに風船を買ってあげたいとお願いするんです。ハリネズミだからちょっと近付いただけで風船が割れてしまう。そういう困難を秋乃たちが乗り越えておもしろいものを探してくれたらすてきですね。
でも本当はコンシェルジュのほうになりたいんです。仕事って大変だけど、それで誰かが喜んでくれるのってうれしいじゃないですか。機転を利かせるのも得意ですし、どんな悩みもすぐに解決できちゃうタイプなので。コンシェルジュという仕事は、“おもてなし”をする人というイメージがありますけど、私はそれ以上に“おもいやり”が大事だと思うんです。おもいやりのほうが誰かのためになって長続きする。そういう人とのつながり方を、この映画で改めて感じました」
「私にとっては贈り物を探している時間も、相手をずっと考えるからプレゼントだと思います」
――これまでLiLiCoさん自身が贈り物をして、相手に喜んでもらえた経験で印象に残っていることはありますか?
「夫の小田井(涼平)がずっと愛用している『スター・ウォーズ』のトートバッグがあって、それを『しばらく借りるね』って言って、3年くらいかけて『スター・ウォーズ』に出演された俳優さんたちにサインを入れてもらってプレゼントしたことがありました」
――それはすごいですね…!
「マーク・ハミルさんからもいただきましたし、別の映画で来日したユアン・マクレガーさんにもちょっとした作戦を使ってサインしてもらうことに成功しました(笑)。それってたぶん私にしかできないプレゼントだと思いますし、なにより私にとっては贈り物を探している時間も、相手をずっと考えるからプレゼントだと思うんです。普段はフィギュアをあげても、コレクションとしてすぐにしまって保管する夫ですが、そのトートバッグだけはいまでも大事に飾ってくれています。以前『よるのブランチ』で自宅のお宝を鑑定する企画があった時に、『値段をつけられない』とも鑑定されました。でも困ったことがあっても絶対に売れないように、すべてのサインに“To Ryohei”と書いてもらっているのですけどね(笑)」
――逆にもらってうれしかった贈り物はありますか?
「10年くらい前に、スウェーデンで写真撮影をする機会があって、当時『王様のブランチ』で一緒に仕事をしていたディレクターの女性が『一緒に行きたい』と言うので連れて行ったことがあるんです。『荷物持ちますよ』とは言ってくれましたが、なんで一緒に行きたいと言ってくれたのかなと不思議に思っていたら、彼女は滞在中にずっとカメラを回していたんです。そうしたら、後日私の誕生日にその映像のDVDがパッケージに入ってプレゼントされて。
しかも丁寧に編集もされて、ジャケットも付いていて、私の好きなスウェーデンの音楽がBGMとして使われていたんです。それは全然関係ないタイミングで『好きな曲ある?』と聞かれて何気なく答えていた音楽で。彼女だからできるプレゼントで、本当にコンシェルジュみたいだなと思いました。そしてこのDVDに収められた映像が、母が動いている姿を見ることができた最後の機会になりましたし、母としゃべっている最後の映像にもなりました」