『レザボア・ドッグス』はなにが斬新だった!?クエンティン・タランティーノの原点を探る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『レザボア・ドッグス』はなにが斬新だった!?クエンティン・タランティーノの原点を探る

コラム

『レザボア・ドッグス』はなにが斬新だった!?クエンティン・タランティーノの原点を探る

鬼才クエンティン・タランティーノの名を世界に知らしめた傑作『レザボア・ドッグス』。そのデジタルリマスター版が、2024年1月5日(金)に日本公開される。1991年に製作され、多くの映画ファンを熱狂させてきたこの犯罪映画のマスターピースは、いま見ても強烈な魅力を放っている。本作のいったいどこがすごかったのか?改めて振り返ってみよう。

黒のスーツにサングラスでビシッと決めた男たちが宝石強盗を実行するが…
黒のスーツにサングラスでビシッと決めた男たちが宝石強盗を実行するが…[c] 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

裏切り者は誰だ!?宝石強盗に失敗した男たちの探り合いが展開

宝石店への強盗計画を遂行するため、ギャングの大物によって集められた6人の男たち。彼らはお互いの本名も素性も知らず、それぞれにミスター・ホワイト、ミスター・ピンク、ミスター・オレンジなどの色名で呼び合う。しかし計画は思い通りに進まず、死者も出る事態に発展。誰かが警察に計画をリークしたらしい。逃走後の集合場所である倉庫へとやって来た男たちの間に広がる疑念。果たして裏切り者は誰なのか?

裏切り者を巡って男たちが銃を向け合う
裏切り者を巡って男たちが銃を向け合う[c] 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

登場人物を生き生きと見せるタランティーノの脚本

まず目を引くのは、生き生きとしたセリフのやりとり。ダイナーで食事をしているギャングのボスの親子と、実行犯6人の会話は、本筋とはあまり関係ないが、男同士の馬鹿話がユーモラスに繰り広げられ、その輪のなかに引き込まれる。誰よりも最初に出演が決まったミスター・ホワイト役のハーヴェイ・カイテルはそんなタランティーノの脚本の手腕に惚れ込み、ニューヨークでのオーディションを手配するなど、製作にも積極的に関わった。

【写真を見る】強盗犯たちがグダグダと無駄話を繰り広げる冒頭シーンからタランティーノのセンスが炸裂していた!
【写真を見る】強盗犯たちがグダグダと無駄話を繰り広げる冒頭シーンからタランティーノのセンスが炸裂していた![c] 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.

セリフがおもしろければキャラクターの魅力も活きる。経験豊富な年長者で場を仕切ることが多いミスター・ホワイト、撃たれて血まみれになり、動転しているミスター・オレンジ(ティム・ロス)、口数が少ないがとんでもないサイコパスであるミスター・ブロンド(マイケル・マドセン)等々。黒いスーツとサングラスでキメた6人のビジュアルからして、魅力的ではないか。ちなみに、オーディションを受けた俳優の多くは、おもしろいセリフが多いミスター・ピンク役を望んだとのこと。この役は結局、スティーヴ・ブシェミが演じ、抜け目のない小悪党をユーモラスに体現した。

おもしろいセリフが多いミスター・ピンクはスティーヴ・ブシェミが演じた
おもしろいセリフが多いミスター・ピンクはスティーヴ・ブシェミが演じた[c] 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.


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