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カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『落下の解剖学』公開決定&悲痛な叫びを映した本予告

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カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『落下の解剖学』公開決定&悲痛な叫びを映した本予告

第76回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞し、先日発表された第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)をはじめとした4部門にノミネートされた『落下の解剖学』。このたび、本作の公開日が2024年2月23日(金・祝)に決定。あわせて本予告、本ポスター、シーン写真が到着した。

【写真を見る】「これは事故か、自殺か、殺人かー」というキャッチコピーが印象的な『落下の解剖学』本ポスター
【写真を見る】「これは事故か、自殺か、殺人かー」というキャッチコピーが印象的な『落下の解剖学』本ポスター[c]2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma

本作は、カンヌ国際映画祭で審査員⻑を務めたリューベン・オストルンド監督から「強烈な体験だった」とのコメントを得たヒューマンサスペンス。人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていくなかで、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ真実が現れることになっていく。

監督は、長編映画4作品目となる本作で、パルムドールを獲得したジュスティーヌ・トリエ。主人公サンドラを、本年度映画賞レースで主演女優賞の候補となっているヒュラーが演じる。カンヌで国際批評家連盟賞を受賞した『ありがとう、トニ・エルドマン』(16)など、演技派で知られる彼女が、作家としての知的なポーカーフェイスのもと、底なしの冷酷さと自我を爆発させる圧巻の演技を見せる。

解禁となった本予告では、夫の死をきっかけに、仲睦まじい夫婦像が徐々に崩れゆき、表の顔とは全く違う真の姿が暴かれていく様が映しだされている。ある日、視覚障がいを持つ息子(ミロ・マシャド・グラネール)は、血を流して倒れている父親を発見。息子の悲鳴を聞いた母サンドラは「3階から落ちたみたい」と救助を要請するも、すでに夫は死亡していた。だが、その死には不審な点が多く、唯一現場にいた、前日に夫と喧嘩をしていたという状況から、サンドラに夫殺しの嫌疑がかかってしまう。幸せそうな家族像とは裏腹な、夫婦の激しい口論が暴かれていくなか、「信じて、ママはモンスターじゃない」とサンドラは必死で自らの無罪を主張。その先にある真実に好奇心がそそられる映像となった。

本ポスターに写されているのは、一面に広がる真っ白な雪の上で倒れる夫を見つめる妻と息子、そして愛犬の姿。最初は単純な転落事故と思われた事件の始まりのシーンを捉え、「これは事故か、自殺か、殺人かー」というキャッチコピーが、ここから始まる怒涛の展開の予感を匂わせている。

事件の“唯一の証人“として、法廷に立つ息子の姿
事件の“唯一の証人“として、法廷に立つ息子の姿[c]2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma

また、シーン写真は7点解禁に。雪の上で血を流して倒れる夫の姿に向き合う母と子を切り取ったカットのほか、事件後では笑顔さえ疑わしく見えてくる仲睦まじい夫婦のスナップショット。さらに、裁判で夫殺しの罪によって尋問されるサンドラの姿や、この事件の“唯一の証人“として、法廷に立つ息子の姿が捉えられている。


家族以外に誰も目撃者がいない純白の世界の中で、いったいなにが起こったのだろうか?本作が暴く夫婦の秘密や嘘をぜひ劇場で目撃してほしい。

文/鈴木レイヤ

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