ドナルドダックに野獣、イケボの子ヤギバレンティノまで!山寺宏一がディズニー作品で魅せた“七色の声”を振り返る
『ウィッシュ』バレンティノの愛くるしい見た目と低音ボイスにギャップ萌え!
いまや「ディズニーの吹替といえば山寺宏一」といわれるほど、ディズニー作品に欠かせない“レジェンド”的な存在となった山寺。だからこそウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作という冠つきの『ウィッシュ』への参加は、ディズニーファンたちも熱望していたに違いない。
『アナと雪の女王』(13)のスタッフ陣が贈る『ウィッシュ』の主人公は、どんな願いも叶う魔法の王国の驚くべき真実を知ってしまったアーシャ。ある日、すべての“願い”が魔法を操る王様に支配されているという衝撃の真実を知ってしまった彼女は、みんなの願いを取り戻したいと星に願う。すると“願い星”のスターが空から舞い降り、アーシャとともに王国に奇跡を巻き起こしていく。山寺が演じたのはアーシャの相棒となる、生後3週間の子ヤギ、バレンティノだ。
山寺は「まず、参加することができて非常にうれしく、光栄に感じています!100周年記念の作品が作られると聞いてから、なんとかして参加したいと思っていたんですが、これまであまりにたくさんの作品に参加させていただいているので、もうないかなあと思っていたんです。ですが、非常に重要な役をいただきまして、本当にそういう意味では“願い”が叶ったという感じでございます!」と喜びを語っている。
バレンティノは、どんな時もアーシャの味方で頼りになる相棒だが、スターの魔法で人間の言葉を話せるようになる。山寺が当てた声は、キュートな外見からは想像できない低音ボイスという点がギャップ萌えで、大いに反響を呼んだ。自身が演じたバレンティノの魅力を、山寺も「まさに見た目の可愛さと声のギャップですね」と語っている。「生まれてそんなに経っていない子ヤギなので、見た目は本当に可愛いんですが、スターの魔法によって渋い声になっていて、声質だけじゃなくてしゃべり方も、なにかいろいろなことを心得たベテランというか、大御所の風格があるんです。そのギャップがとても魅力的だなと思います」。
また、山寺は、数多く声を当ててきたディズニー作品が世界中の人を魅了し続けている理由について、「ウォルト・ディズニーさんの想いをずーっと、ディズニーに関わる方々が、見事に継承しているからだと思います。ディズニー・アニメーションに関しては圧倒的なクオリティー、それは技術的なことだけじゃなくてストーリーや、想いがとても高く、そして誰が見ても楽しめるという、そういうところじゃないかと思うんです」とコメント。
さらに「ウォルト・ディズニーさんは一切の妥協を許さない方だと伺っていますが、関わる方みんながこだわりにこだわって、想いを込めて作っているんじゃないかと感じます。そうでなければこんなに長い間、これだけたくさんの作品で、皆さんに夢を届けたりはできないと思うんですよね」と、まさにウォルト・ディズニーの想いを継承する1人である山寺ならではの熱い気持ちを口にしている。
ディズニー映画の集大成的な作品という評価を受けている『ウィッシュ』は、ディズニー御用達声優である山寺にとっても、その華麗なるキャリアにおいて特別な1本になったのではないだろうか。歌と踊りと魔法が散りばめられた本作は、ぜひ大スクリーンで体感していただきたい。
文/山崎伸子