アン・ジェホン、キム・シンロク、イ・サンイ…「絶対どこかで見たことある!」となる、韓国の“名バイプレイヤー”を紹介!
「地獄が呼んでいる」での存在感が抜群!映画での活躍も期待されるキム・シンロク
キム・シンロクは、2021年「地獄が呼んでいる」のシングルマザー役、「怪物」の刑事役で注目を集めたが、昨年も「ムービング」「財閥家の末息子〜Reborn Rich〜」「誘拐の日」「刑事ロク 最後の心理戦」と立て続けに出演、いま韓国で最も忙しい俳優の1人だろう。ドラマの出演が多いけれど、そろそろ映画で彼女の演技を観てみたい。
人気アイドルグループから実力派女優へ大変身!パク・ソジン
これから活躍しそうだと感じているのは、「ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~」で主人公デボラ(ユ・インナ)の親友役を演じたパク・ソジン。アイドルグループGirl’s Dayの一員として活躍したのちに、「ストーブリーグ」や「環魂」に出演、「ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~」での役は自然体で笑いを取れる、稀有な存在感が魅力的だった。
神々しい美しさ!いま最も注目されている若手女優、コ・ユンジョン&ノ・ユンソ
「ムービング」のコ・ユンジョンは「ロースクール」の法科大学院生の役で既に存在感があった。主演ドラマ「環魂」シーズン2と「ムービング」で、早くもスター俳優の位置に。イ・ジョンジェ監督作『ハント』(22)でも、豪華俳優陣に混じり堂々とした映画デビューを飾っていた。
コ・ユンジョン同様、「私たちのブルース」「イルタ・スキャンダル〜恋-は特訓コースで〜」と『20世紀のキミ』(22)のノ・ユンソ[は、すぐに主演に抜擢されそう。
(ライター・平井伊都子)
まさかの2票獲得!カメオ出演だけでも存在感満点のイ・サンイ
個人的には、昨年最も株が上がったのはイ・サンイだった。まずはドラマ「イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで~」で突如現れた人気ユーチューバー役。主人公2人のスキャンダルを突撃取材する、サングラスをかけた変な奴なのだが、特別出演のイ・サンイがはじけまくっていて話題になった。Netflixオリジナルドラマ「ブラッドハウンド」ではボクサー役で主演し、アクションに初挑戦。ノリは軽いが義理堅い男を演じきってコリアドラマアワードで優秀演技賞を受賞した。
極めつけは、現在韓国で公開中の映画『シングル・イン・ソウル(原題)』。主人公ヒョンジン(イム・スジョン)が勤める出版社の同僚としてイ・サンイが登場するのだが、空気の読めないキャラクターで、いちいちの言動がおかしい。笑いながら観ていたら、急にまじめに歌う場面があり、さすがミュージカル俳優、うまい!スクリーンの中の出版社同僚たちも、スクリーンの外の観客も、一気にイ・サンイの虜になった。
900時間の特訓で、CGなしで天才ピアニスト役を演じたパク・ジョンミン
パク・ジョンミンが何でもやれるのは、すでに十分証明済みではあるが、昨年も映画『密輸(原題)』のチャンドリ役で見せてくれた。主演のキム・ヘスも「ジョンミンさんのすべての映画のなかで、チャンドリが最高」と絶賛していた。若き日のチャンドリは何をやってもドジで足手まといな田舎のダサい兄ちゃんだったが、歳月を経て密輸を牛耳って羽振りの良くなったチャンドリは、ぎらぎらしていかにも“成金”の雰囲気が漂う。どすの利いた怖いおじさんに見事に変身していた。
『それだけが、僕の世界』(18)では天才的なピアノの実力を持つ役で、ピアノ初心者のパク・ジョンミンは900時間特訓して代役もCGも使わずに演じた。『サンセット・イン・マイ・ホームタウン』(17)ではラッパー役で主演、『ただ悪より救いたまえ』(20)ではドラァグクイーン!毎度驚かされるが、来年もチャンドリを超える演技を期待したい。
(ライター・成川 彩)
役柄の振り幅が広すぎる!夫婦そろって最強のバイプレイヤー、チン・ソンギュ
韓国俳優の化けっぷりの上手さといえばいいのか、「えっ!? あの作品に出てた俳優と同じ人?」ということはよくあるが、チン・ソンギュは半端ない。彼がまず注目されたのは『犯罪都市』(17)のスキンヘッドの中国人ヤクザだが、『エクストリーム・ジョブ』(19)ではバカが付くほどマイペースな刑事を好演し、笑いのツボをつかんでいた。韓国初のプロファイラーを題材にした「悪の心を読む者たち」では犯罪分析チームの創設者を好演、映画『コンフィデンシャル:国際共助捜査』(22)ではヒョンビン演じる北朝鮮の特殊捜査員を翻弄する犯罪組織のリーダー役で怪演している。キャラクター分析に長けていることで有名で、どんな役でも変幻自在で引く手あまた。ちなみに彼の妻は「シスターズ」や「ムービング」で迫力の味を出していたパク・ボギョン。夫婦そろって最強のバイプレイヤーというところで今後ますますチェックしておきたい。
リアリティーある演技で作品に命を吹き入れる名優、キム・ソジン
女優のなかでバイプレイヤーとして推したいのは、キム・ソジン!もともと、舞台で活躍してきた人で確かな演技力を持ち、様々な役にリアリティーを与えてきた。映画『ザ・キング』(17)の検事役で一気に知名度アップ。『麻薬王』(18)でソン・ガンホの妻役、『モガディシュ 脱出までの14日間』(21)ではキム・ユンソク演じる大使の妻、『非常宣言』(21)ではチーフCA役など話題でキーパーソン的な役どころを演じてきた。そんな彼女がドラマ「ヴィジランテ」ではジャーナリスト役。髪を真っ赤に染め、スクープのためなら突っ走るというキャラクターに挑んでいる。聡明なイメージに加え、凛とした女性を演じてきた彼女が今後、どんな役を演じて行くのか楽しみにしたい。
(ライター・前田かおり)
映画、ドラマ、演劇、ミュージカルだけでなく、監督としても活躍中!ホ・ジュンソク
韓国には多くのバイプレイヤーがいるが、最近気になるのはホ・ジュンソク。ミュージカル出身の実力派で、「その年、私たちは」や「シーシュポス: The Myth」など数々の作品に出演し、記憶に残る演技を披露している。そして、2023年冬のクールでは韓国版「愛していると言ってくれ」に出演。主人公チョン・ウソンの親友役で、見事な手話を披露している。
スタイル抜群のイケメンでないからこその“いい渋み”があり、親近感を持てる人柄。「愛していると言ってくれ」では自身の妻も聴覚に障害がある設定だが、ホ・ジュンソクの明るさや気配りで暗さを一切感じさせない。むしろ理想の夫婦像を見せてくれ、「家族っていいな」としみじみ。それもこれも、ホ・ジュンソクの巧みな手話と深みのある声、相手を思いやる温かみのある表情があってのことだろう。
俳優だけでなく監督としても活動するためか、作品内での自分の立ち位置をよく理解しているように見えるのもすごいところ。いい意味で“そこらへんにいそうな人”でありながら、主人公だけでなく、視聴者の心の拠り所となっている。
(ライター・鈴木ちひろ)