2024年最初の動員ランキングは『SPY×FAMILY』がNo.1!予習にぴったり「名探偵コナン」の新たなトレンド“特別編集版”とは
劇場版シリーズの予習にぴったりの『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』が初登場
4位に初登場を果たしたのは、国民的アニメ「名探偵コナン」のテレビエピソードを劇場用に再編集したTVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』(公開中)。今週は本作について重点的に取り上げていきたい。
4月12日(金)に公開を控える劇場版「名探偵コナン」シリーズ第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の公開に合わせて、同作のキーパーソンとなる怪盗キッドの登場するテレビエピソードを集めた総集編となる本作。本編冒頭でコナンとキッドが初対峙する第76話「コナンvs怪盗キッド」が新規映像となっているなど劇場版の予習としても一本の独立した作品としても楽しめる作品に仕上がっている。
「名探偵コナン」の“特別編集版”は、『名探偵コナン 緋色の弾丸』(21)にあわせて公開された『名探偵コナン 緋色の不在証明』(21)から始まった新たな試みで、今回が3作目。『緋色の弾丸』はコロナ禍の影響で1年の公開延期となり、それによって毎年ゴールデンウィークの定番となっていた「名探偵コナン」の伝統が途絶えることとなった。長いブランクを埋めるため、また少なからず映画館から遠のいていた固定ファンを取り戻すための新たな策という意味合いがあったのだろう。
特に『緋色の弾丸』は、原作ファンやテレビアニメを観ているファン以外にはあまり馴染みのない“赤井ファミリー”にフォーカスが当てられた作品とあって、彼らについて予習できる機会が与えられたことは非常に大きいものがあった。結果的に『緋色の不在証明』は最終興収12億4000万円の大ヒットを記録し、『緋色の弾丸』も興収76億5000万円と、当時シリーズ歴代3位の大ヒットを記録することに。翌年の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(22)では、劇場用の特別編集版は制作されなかった代わりに、「金曜ロードショー」で「名探偵コナン 本庁の刑事恋物語〜結婚前夜〜」が放送。
そして昨年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)に合わせるようにして、灰原哀にフォーカスした『名探偵コナン 灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』(23)が公開。こちらも初日から4日間で興収2億4600万円を超える見事なスタートダッシュを飾り、『黒鉄の魚影』はシリーズ初の興収100億超え。最終興収では138億3000万円に到達するメガヒットを記録することとなった。
アニメシリーズの放送開始から28年。作品の長期化に伴って登場人物の数も圧倒的に増え、特に近年の劇場版作品では人気キャラクターにフォーカスしたストーリーが展開している「名探偵コナン」。それだけに、新たな映画作品のたびに新規のファンを取り込むことができる「特別編集版」の需要は今後も高まっていくことだろう。
ちなみに『100万ドルの五稜星』で4作ぶりに劇場版シリーズに登場を果たす怪盗キッド。これまで『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(99)、『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(04)、『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(06)、『名探偵コナン 天空の難破船』(10)、『名探偵コナン 業火の向日葵』(15)、そして『名探偵コナン 紺青の拳』(19)と登場しており、この6作品の興収は右肩上がり。
『紺青の拳』は最終興収93.7億円で、シリーズ初の動員700万人突破作品。となれば、灰原哀が“100億の女”となったように、怪盗キッドも“100億の男”になれるだろうか。4月の公開を楽しみに待ちたい。
以下は、1~10位までのランキング(1月5日〜1月7日)
1位『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
2位『ウィッシュ』
3位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
4位『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』
5位『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
6位『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
7位『ゴジラ-1.0』
8位『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』
9位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
10位『PERFECT DAYS』
今週末はDC最新作『アクアマン/失われた王国』(1月12日公開)、西尾維新原作の「傷物語」シリーズ3部作を長編に再構成した『傷物語 -こよみヴァンプ-』(1月12日公開)、東野圭吾のベストセラー小説をWEST.の重岡大毅主演で映画化した『ある閉ざされた雪の山荘で』(1月12日公開)、和山やまの同名マンガを映画化した『カラオケ行こ!』(1月12日公開)。そして、興収52億円を突破した『ゴジラ-1.0』のモノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』(1月12日公開)が控えている。
文/久保田 和馬