原作ファンの度肝を抜く再現度!No. 1スタートを飾った実写『ゴールデンカムイ』は山崎賢人の新たな代表作に?
まもなく公開から2か月…『映画あの花』の勢いが止まらない
さてランキングに戻ると、2位から10位にかけては前週の1位から9位の作品が並んでいるのだが、その順位の変動は目まぐるしいものがある。公開5週目にして2位となった『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』は、この週末3日間で動員18万9900人、興収2億6100万円を記録。累計成績では動員389万人、興収52億円と、まだまだこの勢いは持続しそうだ。
注目は『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(公開中)が、前週の4位からワンランクアップでトップ3に返り咲きを果たしていること。週末3日間の成績は動員14万4000人、興収1億8800万円と、まもなく公開から2か月が経とうとしているなかで前週を上回る成績を記録。累計成績では動員274万人、興収34億円を突破。これは2001年以降に公開された松竹配給の邦画劇映画において、『おくりびと』(08)の興収64.8億円、『武士の一分』(07)の興収41.1億円に次ぐ第3位の成績となる。
これだけ根強い人気の背景には、原作がTikTokで話題を集めてベストセラーになったのと同様、InstagramやTikTokで若者を中心に口コミが広がっていることがある。ちょうどアメリカでも現在、同じようにSNSでの口コミをきっかけに青春ミュージカル『Mean Girls』(こちらは2004年制作のオリジナル版の本編がTikTokで分割配信されたことも話題を集めた)やラブコメ映画『Anyone But You』が大ヒットを記録している。長らく言われている“若者の映画離れ”という話を払拭するこれらの現象。映画界のマーケティングに大きな変化をもたらすことになるだろう。
公開6週目を迎えたディズニーの『ウィッシュ』(公開中)も、前週からワンランクアップの4位にランクイン。こちらは累計成績で動員234万人、興収31億円に到達。そして前週8位に初登場を果たした綾野剛主演の『カラオケ行こ!』(公開中)は、各レビューサイトでの高評価を受けて土日共に前週対比プラスの動員成績を記録。ランキングでも7位に浮上しており、こちらもじわじわと成績を伸ばしていく可能性が高そうだ。
以下は、1~10位までのランキング(1月19日〜1月21日)
1位『ゴールデンカムイ』
2位『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
3位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
4位『ウィッシュ』
5位『ある閉ざされた雪の山荘で』
6位『アクアマン/失われた王国』
7位『カラオケ行こ!』
8位『ゴジラ-1.0』
9位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
10位『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』
今週末は、山田涼介と浜辺美波が共演するラブストーリー『サイレントラブ』(1月26日公開)、竹内涼真主演のサバイバルドラマシリーズの初の映画版となる『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(1月26日公開)、そして第96回アカデミー賞の有力候補の一角として注目を集めている『哀れなるものたち』(1月26日公開)などが公開を控えている。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
文/久保田 和馬