ファン&初心者が『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』をネタバレ全開で語り合う!「20年という時間を越えて、また会えた喜び」
「アコードの能力に、私自身も錯覚させられているようなところはありました」(南里)
石井「本作のモビルスーツに関しては、ライジングフリーダムはキラが乗るのは当然として、イモータルジャスティスはみんなずっとアスランが乗るものだと思っていたじゃないですか。それと一緒にインパルスSpec IIが発表されていたので、それにシンが乗るんだろう…って予想していたのが、見事に外されていくというのもすごいなと。」
山岸「ファンは誰がなにに乗るとか、どういう設定なのかとかすごく考察しているのが、SNSなんかを見るとおもしろかったですし、僕もイモータルジャスティスはアスランが乗ると信じていたので、本編を観て驚きでした」
南里「ファンの方々は本当に細かいところまで観ていて、それこそ予告に出るちょっとした小物から推測する人もたくさんいましたね。そういうところも盛り上がりますし、予告編の編集の妙というか、嘘は言ってないけど本当のストーリーを把握させない構成とか、実際に本編を観た時に驚かせる感じになっていたのは、いい意味でよかったですね」
山下「シリーズ初心者で搭乗機とかがわからなくてもビックリするところはありましたね。『アスランはガンダムに乗らないんだなあ』と思って観ていたら、ズゴックの中からガンダムが出てくるなんてことは想像もできなかったです」
石井「そこは誰しもが驚く場面ですよね(笑)。皆さんは、ほかに驚いた点などはありましたか?」
山岸「たくさんあるんですが、個人的には終盤にイザークとディアッカがデュエルとバスターを引っ張り出してきて、ミーティアをドッキングさせたところですね。イザークが成長して戦いを止める側に回って。そこがファンとしてはうれしいサプライズでしたね」
南里「私はキラが序盤にブラックナイトスコードにやられまくるのに衝撃を受けました。敵としてすごいなって。それから、アコードの能力も中盤までよくわからなくて。キラを暴走させるところも、なにが起こっているのかわからない感じは、私自身も彼らの能力で錯覚させられているようなところはありましたね(笑)」
石井「なるほど。僕はアークエンジェルの撃沈ですね。やっぱり『SEED』の第1話からずっと出続けている母艦だったので、本当に驚いたというか」
山岸「確かに。テレビシリーズを通して『不沈艦』と呼ばれていましたからね」
石井「あそこで、マリューさんが死んでしまうのかなというドキドキ、そして戦力を無くしたキラたちがどうやって反撃するかという後半への盛り上げも含めて、あれくらいやらないと盛り上がらないわけですが、やっぱり愛着がある船なので衝撃でした」
南里「私も悲しかったですね」
山下「強そうでカッコイイ、大きな戦艦だなくらいしか思っていなかったんですが、かなりファンの想いが詰まっている船なんですね」
「オルフェは、自分の生まれに翻弄されたところも含めて憎み切れないという感じがしました」(山下)
石井「新キャラクターはいかがでしたか?」
南里「アグネスも良かったですね。キラとラクスの関係を壊そうとする感じを全面に出していて、なかなかいい役だなと思いながら観ていました。性格は違いますが、『SEED』に出て来た、同じ桑島法子さんが演じているフレイを思い出した方も多そうですよね」
山下「アグネスって新キャラなんですね!僕はどれが新キャラか判別できなかったのですが、みんなキャラクターが濃かったです。いろいろ恋愛要素が入ってくるのもおもしろいし、劇中で関係性がわかりやすく描かれているのもよかったです」
山岸「フレイとキラの関係をはじめ、『ガンダムSEED』って昼ドラのように、いろんな男女がくっつきそうとか、別れたとかという部分もたくさん描いていたので、そういう部分を出すには、アグネスやオルフェは重要ですよね」
南里「それから、新キャラ勢はキャストが豪華で聞き応えがありましたね」
山岸「僕は福山潤さんが声を担当している、早口のアルバートさんが良かったです。キャラが立っているし、サブ的なポジションだけどお話を盛り上げてくれて。そのほかにもアーサーとか、マードックさんとか脇役も画面の端っことかにちょっとしか出ていなくても、前に活躍していたサブキャラをちゃんと大事にしてくれているのはうれしかったですね」
南里「確かに、『あの人はいまなにをしているんだろう?』と思うキャラがちゃんと出てきますよね」
石井「ブラックナイトスコードのシュラは、中村悠一さんがすごくいい敵役をやってくれていましたね。尺的なところでは仕方ないですが、それ以外の面々も個性的だったのでもうちょっと活躍が見たかったですね」
山下「特にオルフェは彼なりの信念があって、新キャラなのがびっくりするぐらいいろいろやっていたんだなという感じがありました。それが最後は悲しいモンスター化してしまって…。自分の生まれに翻弄されたところも含めて憎み切れないという感じがしました」