『マダム・ウェブ』ダコタ・ジョンソンが語る、“ビジョン”と“現実”の演じ分け「揺るぎない個性を発揮できた」
「ヴェノム」シリーズや『モービウス』(22)に続く「ソニーズ・スパイダーマン・バース」最新作にして、マーベル初の本格ミステリー・サスペンスとしても注目を集めている『マダム・ウェブ』(2月23日公開)。本作で主人公のキャシー・ウェブを演じたダコタ・ジョンソンは「ほかの世界との繋がりがほとんどないスーパーヒーロー映画に参加することができて、とてもワクワクしています」と声を弾ませる。
「スケールが大きい要素もたくさんありますが現実に即した映画」
「自分がスーパーヒーローを演じるなんて考えたこともありませんでした。マダム・ウェブは内面にパワーがある若い女性。身体的なスキルを覚える代わりに内面が非凡であることがおもしろくて、スケールが大きい要素もたくさんありますが現実に即した映画。すべてが女性目線で、私自身も観客として観たいと思うような、独自の世界を持った作品だと感じました」。
本作の舞台はニューヨーク。救急救命士として働くキャシー・ウェブは、1人でも多くの命を救うために日々奮闘していた。ある時、救命活動中に生死を彷徨うほどの大事故に巻き込まれた彼女は、それ以来デジャブのような奇妙な体験を重ねるようになる。そして3人の少女たちが黒いマスクの男に殺される悪夢のようなビジョンを目撃。それが未来に起きる出来事だと確信したキャシーは、少女たちを助けることを決意する。
マダム・ウェブというキャラクターがマーベルコミックに初登場したのは1980年に発行された「アメイジング・スパイダーマン」。コミックでは神経変性疾患を患った盲目の女性として、スパイダーマンをサポートする役割を果たしていたのだが、本作では、いかにしてキャシー・ウェブという女性がマダム・ウェブになっていくのかが描かれていく。
「この映画はマダム・ウェブのオリジンストーリーなので、彼女が若い時から物語が始まります。家族はおらず、友人もほとんどいない。他人との間に壁を作り、人付き合いを避けている彼女は、“エブリデーヒーロー”ともいえる救急救命士をしている。自立した複雑な女性なのです」と、ジョンソンは自身の演じた役柄について説明する。
「フィフティ・シェイズ」シリーズで注目を浴びたジョンソンは、本作が本格的なアクション映画初挑戦。撮影開始の数ヶ月前からトレーニングに励み、至近距離での戦いの練習などを重ねたという。「キャシーが熟練したファイターであるかのようには見せたくなかった。でもケンカには慣れていて、原始的なかたちでの自己防衛の術は持っていたのではないかと考え、金属片や瓶、その場にあるものを使った荒っぽい戦い方をするようにしました」。
ほかにもスタントドライビングのトレーニングを受けたり、水中シーンでの息遣いのトレーニングにも臨んだとのことで、「息を止める時間を徐々に長くしていくセッションを何回かやり、最終的には3分半ほど息を止められるようになりました」と自信たっぷり。そして「倉庫のなかを走り、花火が爆発するシーンがあるのですが、その撮影が一番過酷でした。膝を痛めながら一晩中、10時間は走り続けていたと思います」と振り返った。