GG賞、エミー賞、グラミー賞のレッドカーペットを総まとめ!賞レースから読み解く、2024年のファッショントレンド
シンプルだからこそ光るセンス。メンズのデコルテ
ヨーロッパでは、1月の第2週からメンズのファッションコレクションが始まっている。昨年から大流行のクワイエット・ラグジュアリー(派手やあからさまではないが高品質なものを身に着けるトレンド)は、今季もしばらく続くよう。そのトレンドを受けて、伝統的やクラシックなスタイルが注目のメンズファッションなのだが、それと逆行するような兆候をレッドカーペットでは発見。授賞式でのメンズのドレスコードといえばブラックタイなので、ボウタイまでいかなくても、せめてタイは締めるのがお約束。ところが、タイどころかシャツのボタンをとめず、デコルテやチェストまで見せるセレブがたくさんいて、メンズのデコルテ事情は変化している様子!そのなかでも、シンプルだがスタイリングを格上げするネックレスを身につけたセレブたちをピックアップ。このスタイルは、ストリートで流行りそう!
ゴールデン・グローブ賞でのティモシー・シャラメ。エディ・スリマンのセリーヌ・オムにカルティエを合わせた。
マット・ボマーはゴールデン・グローブ賞ではブリオーニ、CCAではベルルッティをセレクト。
1963年にキング牧師とワシントンでの大行進を主導した伝説の活動家、バイヤード・ラスティンを描いた『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』(Netflix)での好演が評価されたコールマン・ドミンゴ。カスタムメイドのヴァレンティノのゴージャスなルックで。
山田太一の原作を映画化した『異人たち』で主演を務め、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたアンドリュー・スコット。セットアップはヴァレンティノ。アクセサリーはティファニーで、シューズはクリスチャン ルブタンだそう。
全世界でバズっている話題作『Saltburn』(Prime Videoで配信中)に出演したバリー・コーガン。開襟はしていないものの、タイの代わりにつけたネックレスがスタイリッシュ。コーガンの個性を引き立たせるオールレッドのルックは、ルイ・ヴィトンのもの。
2月10日にニューヨークで行われたトミーヒルフィガーのファッションショーで、サプライズゲストとしてパフォーマンスし、話題をさらったジョン・バティステ。襟のデザインをシルバーのネックレスで強調させたグラミーでのルックは、アトリエ・ベルサーチェのもの。スカートや同じシルバーで統一したバシュロン・コンスタンタンのウォッチなど、どれもスマートでスタイリッシュ。プレゼンターを務めたゴールデン・グローブ賞でも、このトレンドルックを披露。ブラックのシャツやジャケットを際立たせているのは、ティファニーのシルバージュエリー。惜しくもグラミー受賞はならなかったものの、レッドカーペットでのベスト・ルックの称号は得たようだ。
文/八木橋恵