GG賞、エミー賞、グラミー賞のレッドカーペットを総まとめ!賞レースから読み解く、2024年のファッショントレンド
スタイリッシュな“ハンサム”スタイル
ガールコアなどを通じて、女性が真正面から女性らしさを打ち出す一方で、むしろメンズライク、ハンサムなファッションを身にまとうことで出せる、オンナならではの色気の表現がとても今っぽい。レッドカーペットに出席するセレブでなくても、そんなスタリッシュさをすぐに取り入れられるアイテムが、ジャケットだ。
賞レースの最前線に常にいる大御所アクトレスたちが、こぞってゴールデン・グローブ賞で選んだのは、ドレスではなくジャケット。メリル・ストリープはヴァレンティノ、アネット・ベニングが選んだのは、ドルチェ&ガッバーナだ。
ディズニー映画『ウィッシュ』で声優を務めたアリアナ・デボーズは、エミー賞に出席。オフホワイトなヌーディーカラーでまとめたルックは、ウィメンズよりはメンズラインのほうに定評のあるブルネロクチネリのもの。合わせたジュエリーはデビアスのものだそう。メンズライクなスタイリングとして、全体のコーディネートを引き締める役割を果たしているのは、オメガのウォッチだ。
各授賞式でメインのアワードを総なめにしているコメディドラマシリーズ「一流シェフのファミリーレストラン」で、主演女優を務めるアヨ・エデビリが、ゴールデン・グローブ賞やエミー賞のレッドカーペットよりも、少しだけユルいCAAでチョイスしたのは、オルセン双子の手掛けるザ・ロウのオールホワイトのセットアップスーツ。全体のスタイルをまとめるのに一役かっているアイウェアは、オリバーピープルのものだ。
コートニー・カーダシアンとトラヴィス・バーカー夫妻は、ラペルの大きいタキシードのペアルックでエミー賞へ参加。コートニーのボトムの丈を含むラインやファッションについてよりもフォトコール(写真撮影)中にキスしまくる様子の方が話題になるなど、ツッコミたくなるポイントはあるものの、レッドカーペットにおけるメンズスタイルの定番であるタキシードルックを選ぶという遊び心はアリ!さすがのカーダシアンファミリー、トレンドの最先端を走ってます。
HBOで放映されたヒューマンならぬゾンビドラマ「ザ・ラスト・オブ・アス」でペドロ・パスカルとともに主演を務め「ゲーム・オブ・スローンズ」以来の代表作を得たベラ・ラムジーは、3つの授賞式へ、いずれもメンズライクのクールなスタイリングで出席。ゴールデン・グローブ賞とエミー賞では、ジャケットのシルエットが美しいプラダ。CCAではトム・ブラウンをチョイスした。トム・ブラウンでは、淡い色で柔らかさを醸し出すが、ぼんやりした印象にならないように、ネクタイをすることで洗練さを加えている。
2月18日から来日ツアーを敢行するボーイジーニアスは、見事「最優秀ロック・パフォーマンス」など 3部門を受賞した。ジェンダーについて揶揄する意味をもつバンド名同様、ハンサムなファッションを得意とする話題の3人組は、お揃いのトム・ブラウンのスーツで登壇。昨今あまり見かけないアームバンドといったメンズのファッションアクセサリーを取り入れる感じも、とてもモダンだ。